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Family tree ページ6

風が白と赤を揺らす。

「では早速、案内してもらおう。」

弓兵は霊体化をして、少年は年相応の服装、白いTシャツの上に黒いジャケットを羽織り、ジーンズをはいた。

比較的平和な街である此処、ルーディンオーズは緑と人間が共生している場所だ。
周りを見渡しても、花、木々、鳥がそこかしこに生を謳歌していた。

『こんな所で聖杯戦争を起こすとは、運が無いな。』

頭に語りかけてくる弓兵に、少しだけ賛同した。
自分の産まれた場所が戦争によって滅ぼされるかもしれないというのに誰が嬉しがるだろうか。

果物を売る男性、花を抱えて頬を染める少女、インコと戯れる老夫婦。何もかもが平和で満ち溢れていた。
街を抜けて少し進んだ場所に、大輪のバラが咲いている屋敷に着いた。

「ここが一つ目の家系、ウィンドワーズ家だ。」

『なるほど。ここは君の家系よろしく、かなり厳かなようだが。』

「何が厳かだ。ウィンドワーズ家はもともと魔術師といっても医療専門の魔術を使う。だからもしサーヴァントを従えているのであれば、かなり強敵だ。"人間"として居るのなら話は別だが。」

『サーヴァントのクラスにもよるだろう。セイバーやライダーなどの白兵戦を好むクラスならまぁまぁ対処は出来るが、ランサー辺りとなると難しい。』

「…次に行こう。家の前に長居すれば怪しまれる」

『同感だ。』

更に進んで、木々が生い茂る森の奥へと足を踏み入れた。そこには、ウィンドワーズ家とは打って変わって美しい、別荘の様な建物が現れた。

「ここが二つ目の家系、チェルニゴフ家だ。」

『本来魔術師は正体を隠すために暗い色を好むのではないのかね?』

「逆説さ。明るい色ならルーディンオーズの人々にも怪しまれることはまず無いだろうし。チェルニゴフ家は、魔力で生産した武器を扱う。全て魔力で武器を作るんだ。その威力は、計り知れないらしい。一種の錬金術のようなものさ。」

『そこでサーヴァントと共闘されれば一溜りもない、と。』

相槌を打つ。

「さて、問題のコロニナンカ家だが…」

『なにか問題でも?』

「コロニナンカ家はなんというか、一言で言うと城だ。まァでっかい城。この森のもっと奥にある。」

『?なら行けばいい話だろう。』

「城はちょっと抵抗があるというか。」

『何を今更。さぁ行くぞ、マスター。』

歩いて数十分すると、物語に出てきそうなとてつもなく大きい城が森の中でその存在を知らしめていた。

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作者名:白咲 アオン | 作成日時:2017年12月11日 20時

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