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Runaway ページ16

1曲踊り終わって、少し休憩を入れていた時。

「ん…サーヴァントの気配がする。アナ。」

「え、今?ど、どこ…そんな人何処にも居ないけど。」

「君は魔力を感じ取る事がかなり難しいようだからね。君は?ノアード。何か感じるかい。」

「微弱だけど…向こうの辺りから」

果物屋の方を指さして言った。

「あぁ。合っている。…ん?」

こちらへと歩いて来る黒髪長髪を肩で結んでいる男性がいる。なにやら男爵のような出で立ちだが、纏うオーラは胡散臭い。真っ赤な目が影を落としている。

「ご機嫌よう、麗しのレディ。私はソルナーデ。」

「えぇ、ご機嫌よう。何の用かしら」

「これはこれは。私、あなたに一目惚れ致しまして。」

二人とも、は?という顔をした。男は容姿端麗ではあるものの、齢は30〜40というような感じだ。それに比べてアルラーナは17辺り。とてもじゃないが釣り合うには些か彼女にとって酷なのではないだろうか。

「…貴殿、ウィンドワーズ家とお見受け致しますが。」

「よく分かりましたね、レディ。私、ソルナーデ・ウィンドワーズ。貴方、チェルニゴフ家現当主のアルラーナ・チェルニゴフを奪いに来ました。」

どうやらこの男には、少年がアイソレーション家現当主だとは気付いていないらしい。そもそも眼中に無いのか。舐められたもんだ。

「私、残念ですが夫を募ってはいないもので。お断りします。」

「気の強いお方だ。そんな所も好きですよ、アルラーナ。」

「気安く私の名を呼ばないでちょうだい」

差し出された手をアルラーナははたく。見兼ねたのか、セイバーは彼女の肩に手をかけて、紳士的に言った。

「貴殿。彼女が魅力的なのは分かりますが、あまり無理強いするのはよろしくないかと。」

「君はセイバーだろう?」

「アルラーナ、こいつは不味いぞ」

「こいつとは……また私も舐められたものですねぇ…」

その瞬間、胸ぐらを掴まれる。

「やめてッ……!!!」

「おやぁ………この方をかなり気遣っている様子。では…」

ソルナーデは片方の手で少年の首を絞め始めた。かなり力が強い。我慢出来なくなったのか、霊体化していたアーチャーが止めに入る。

「少々やりすぎだと思うがね。ウィンドワーズ家当主。」

アーチャーは少年と男を離す。少年は反動で咳き込み、少女は少年に駆け寄った。

「おやおや…躾のなってないサーヴァントですね…」

男が言うが早いか、男の後ろに筋骨隆々の男が立っていた。

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作者名:白咲 アオン | 作成日時:2017年12月11日 20時

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