Relief ページ23
「中々しぶといですね、ソフィア。」
力で押し負けた少女が男の下で藻掻く。何をしに来たんだ。コイツを殺しに来たんだ。何故足を刺して尚、コイツは動けるんだ。
「離してソル。」
「おや、貴方は私を暗殺しに来たのでは?」
男の圧力に手足がカタカタ震える。
「ここまで来て怖がるとは。いやはや、勢いとは恐ろしい。」
その時、コンコンとドアを叩く音がした。ソルナーデは心底忌々しいという風にドアを開けると、いきなり男の体が左に吹っ飛んだ。
「初めまして。私はアルラーナ。このいけ好かないクソ野郎を殺しに来ました。」
ソフィアに一礼すると、アルラーナはソルナーデの元へと歩み寄った。
「あ、あの……」
「大丈夫よ。今回ばかりはあなたのサーヴァントも理解して私のセイバーと共闘してくれてる。今日はこのクソ野郎を殺したらお開きよ。」
アルラーナは自分が作った短剣を握りしめると、青ざめているソルナーデの心臓目掛けて短剣を振りかざした。が。
男は短剣が握られた細い手首を掴み、少女ごと壁まで投げた。
「ゥア……ッ」
「アルラーナ…さん……!」
「全く手こずらせる小娘ですねぇ……。今日は本気で求婚したというのに…」
金髪の少女のところへと行き、首を絞める。
「うっ……グッ……!」
「やめて…!」
ソフィアは男の背中目掛けて華奢な短剣を振りかざす。それを男は後ろ向きでひょいと躱す。ソフィアはアルラーナを守る形になった。手を離されたアルラーナは咳き込んだ。
「あなた…性格は最低なのに身体能力は良いのね…」
「なんとでも言え。さぁ…貴方達二人、纏めて殺してやりますよ。」
「バカね。」
柔らかく厳かな声が聞こえたかと思った瞬間。
「さぁ、死んでちょうだい。」
振り上げていた手を真っ直ぐに下ろした。アルラーナの短剣がソルナーデの心臓に突き刺さっていた。
「お、前………!!!」
「あら、まだ死んでないのね。しぶといハエだこと。」
アルラーナの淡い青色の目は曇り、生気が失われている。ただ作業を黙々と行う壊れた人形のようだった。
息が絶えたのを雑に確認すると、白いワンピースに飛び散った血を払うこともなく振り向いてソフィアに向けて笑った。
「ごめんね、こんなもの見せちゃって。多分これでバーサーカーも消滅すると思うから、安心して。」
「えっ、えっと……その、ありがとう…?」
もう一度笑ったアルラーナの目には光が戻っていた。
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作者名:白咲 アオン | 作成日時:2017年12月11日 20時