変わらぬ愛を君に捧ぐ【 sh 】 (ページ21)

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まだ帰したくないって言ったら困る？ページ21

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『Aちゃんはどんな人がタイプなの？』
「え？なに急に｣
『気になるから。あ、礼儀正しい人ってこと以外でね！』
「んー、タイプとかないかな。好きになった人がタイプ」
『うわーそのパターンか』
「なによパターンって笑」
『あ、髪型は？髪色とか！好みはあるでしょ！』
「黒髪短髪に限る！」
『うわ！それ俺の前で言う？！』
「自分が聞いてきたんじゃん笑」
『失敗だわー心折れたわー』
「平野くんはそのスタイルが合ってるよ」

分かりやすく不貞腐れるからやっぱ可愛いよな～こういうところ。
平野くんは顔が良いからどんな髪型も似合うと思うけどね。

『ぶっちゃけ、聞いて良い？』
「うん？」

私たちのマンションまであと少しのところで問い掛けられる。

『俺のことどう思う？』
「……どう、って？」
『好きか嫌いか』
「……そんなの、……好きに決まってるじゃん」
『決まってるの？……それは恋愛感情あり？』
「……それは……｣

マンションに着いてしまった。
平野くんは黙ったまま、ハンドルに手を置いた。

『着いちゃったね』
「……うん」
『まだ帰したくないって言ったら困る？』
「え……」
『って言っても同じマンションだから平気っしょ』
「え、ちょ、」

平野くんはハンドルを右に切って逆方向に走り出した。

「どこ行くの？」
『どこも決まってない』
「え？」
『まだAちゃんといたいだけ』
「……あの、さ」
『ん？』

平野くん、あなたは私のことが、好きなんですか？

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