変わらぬ愛を君に捧ぐ【 sh 】 (ページ17)

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大丈夫なわけないじゃんページ17

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「え、なんで隣？」
『なんとなく？』
「え？」

個室に案内されたはいいけど、向かい側には座らず真横に座ろうとする平野くん。

『早く座りな、上着貸して？』
「……あ、ありがとう｣

私が着ていた上着をパッと手に取って近くにあったハンガーにかけてくれた。それと同時に、やっぱり真横に座った平野くん。

「え、やっぱおかしくない？」
『なにが？』
「なんで隣なの？」
『……えー言わせんの？』

何やらゴモゴモしだして、恥ずかしそうに言うの。

『向かい合わせだと遠いじゃん』
「……はい？」
『久々だから近くで話したい』
「……なによ、それ｣

あからさまに目が泳ぐ。目を見たら溶けちゃいそう。よく平気でそんなことが言えるな。このチャラ男め。だけど、言葉とは裏腹にドキドキが止まらない。隣に来たら、心臓の音が聞こえちゃうんじゃないか。

『なんか緊張するね』
「……え？」
『Aちゃんって緊張する』
「なに急に」
『好きだからかな？』

おかしいな～ってワイシャツの袖捲りながら、
サラッとすごいこと言ったけど、え？
固まってれば、大丈夫？と声を掛けられる。
……大丈夫なわけないじゃん。

「……ほ、ほら、なに頼む？」
『んー、そうだなー、』

平然を装って平野くんにメニュー表を手渡すと真剣に選び始めた。

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