変わらぬ愛を君に捧ぐ【 sh 】 (ページ10)

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守りたいだけなのに（S）ページ10

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sho side

「私と付き合ってほしい」
『ごめん俺好きな人いる』
「Aさんでしょ？」
『……だったらなに？』
「この写真ばらまくよ｣

この時代に脅しなんて本当にあるんだな。
Aちゃん以外の女は全員怖いよ。
俺とAちゃんがデキてると、そう噂を流した張本人がこの子だった。
見せられた携帯の画面には俺がAちゃんを抱えてマンションに入っていくところがしっかり映っていた。
これ以上、Aちゃんに迷惑はかけられない。
正直、俺にとっちゃAちゃんとの噂なんか好都合だったけど、
Aちゃんはそうじゃないから。
俺のことなんか好きじゃないから。
またこの写真で噂なんか広まったら迷惑でしかないから。
俺の一方通行の片想いだから……。

『Aさんには何もしないで』
「分かった」

こうして、俺はこの子と偽造恋愛を始めた。
Aちゃんに遭遇したあの日、気持ちを確かめたくて聞いた。

" 付き合った方がいいかな？ "
" 私には関係ないし。いいんじゃない？可愛いし "

思った通りの答えだった。聞いた俺がバカだった。
1日でも俺ん家に泊まったわけだから少しは意識してくれてんのかなって
淡い期待なんかしてたけど、見事に撃沈。
ていうか、同じマンションらしい。こんなことってあるの？
意を決して好きでもない子と付き合ったのに、なんで本当に好きな人とはこんな運命なの？

ただ好きな人を守りたいだけなのに、どうしたらいいか分かんねえよ。

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