検索窓
今日:17 hit、昨日:15 hit、合計:278,502 hit

山吹19 ページ22

「赤河童様。山吹でございます。
少しよろしいでしょうか?」


「よいぞ」


スッと襖を開けると、そこには京妖怪の鬼童丸がいた。


私は目を丸くした。


朝、そんな大きな妖気があっただろうか。


「……赤河童、この娘は?」


「山吹じゃよ。山吹、挨拶しなさい」


「はい。」


赤河童の方に向いていた体を鬼童丸に向かせた。


「お初にお目にかかります。山吹でございます。」


頭を下げる。

「この娘、こちらに寄越す気はないか?」


しばらく考え、鬼童丸が言う。


「それは山吹が決めるもの、山吹に聞いてくれ」


すると,鬼童丸の鋭い視線が私に向いた。


どうするか、決めろと言っているのだろう


「申し訳ないですが、お断りさせて頂きます。
わたくしはまだ、ここですることがあります故…」


「そうか。
赤河童、また来る」


〜〜〜〜〜〜〜


「して山吹、なんの用じゃ?」


「はい、少し外に出たいのです。」


それを聞いた瞬間赤河童の隣にいたイタクが目を開いた。


「どこへ?」


「…父の所へ」


「そこはどの辺りじゃ?」


「江戸でございます。」


「ほぉ」


「必ず、戻って参ります。よろしいでしょうか?」


「……」


数分が過ぎた頃、やっと口を開いた。


「いいじゃろう。」


その言葉を聞いた途端、周りの妖怪が騒めいた。


「赤河童様!?」


「何故…」


「皆も知っておろう?山吹の強さを。」


それにすべての妖怪が黙る。


「大丈夫じゃよ、山吹は其処らへんで倒れるような妖ではない。」


「……」


「行ってまいれ」


私は何も言わず、頭を下げ、部屋を出た。

山吹20→←山吹18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (162 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
277人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆらき(プロフ) - アスカさん» すみません。続編は出来次第、外すつもりです。コメント、ありがとうございす (2015年11月4日 19時) (レス) id: 97d571de55 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - とっても面白かったです。 続編はパスワード保護されていて見れないのが残念です… (2015年11月4日 17時) (レス) id: 6ab343de74 (このIDを非表示/違反報告)
李翔(プロフ) - パスワード保護されてて続編が見れません!!すっごい続編楽しみにしてたので見せてください (2015年11月3日 20時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆらき(プロフ) - 楓さん» ありがとうございます!更新、頑張りますね (2015年11月3日 20時) (レス) id: 97d571de55 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 応援してます!更新頑張ってください!! (2015年11月1日 21時) (レス) id: b3b6fb8b91 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:揺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2015年9月25日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。