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あの、背の高い彼に、人生ではじめてナンパをされた次の日。




名前も知らない、大きなあの人から



半ば無理やり押し付けられた耳あてを手に、白鳥沢学園高校内を歩く。



ふと、昨日のことを思い出す。



たしか、バレー部のジャージを着ていたような。



私は、バレー部が練習している体育館へ向かった。



僅かに開いたドアから、中を覗く。



『ほらほら!足止めんな!声出せ!』



体育館に響く、たくさんの声。



さすが、強豪校。



人数も多いようで、練習している人より、ボール拾いの方が多い気がした。



その中に、周りよりもひときわ大きな人を見つける。



『おら!川西!サボるんじゃねえ!』



『...すんません』



川西、と呼ばれる男子生徒。



...昨日の、ナンパの人だ



私は、その、川西と呼ばれる彼を見つめる。



「...あ」



ふと後ろを振り返った彼と、目が合う。



顔色ひとつ変えず、彼はこちらにボールを転がした。



『...どうしたんすか?』



僅かに開いた扉から、彼が顔を出す。



「いや..昨日の耳あて返しにきた」



『ああ..。わざわざ良かったのに』



彼は、少し身をかがめて、私に視線を合わせる。



『今、部活中なんで、後で返してください』



「ええ...後でって..」



言われても。



『先輩、帰り待っててくださいよ、部活終わるまで』



それまで、一つも動かなかった彼の表情筋が、ふっと動く。



口元が、にやっと笑う。



『ほら、耳あてのお礼として?』



お礼と言われましても...



私、無理やり押し付けられただけなんだけど。



そう思いつつも、小さく頷き、体育館をあとにした。

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設定タグ:川西太一 , ハイキュー , 白鳥沢   
作品ジャンル:アニメ
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匿名 - んんんんんんんん好きです……あなたが神か…… (2019年1月6日 12時) (レス) id: 63c38f32d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 春華さん» ホントだ!ご指摘ありがとうございます!二枚の神ておかしいですね笑 (2017年11月15日 7時) (レス) id: 6760a7cf82 (このIDを非表示/違反報告)
春華(プロフ) - 23のところで、二枚の紙が二枚の神になってますよ (2017年11月15日 0時) (レス) id: f269e2e249 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - すずなっぱさん» 最後まで読んでくださってありがとうございますっ!そのお言葉だけでも頑張れます(*'▽'*) (2017年11月14日 22時) (レス) id: 6760a7cf82 (このIDを非表示/違反報告)
すずなっぱ(プロフ) - コメント失礼します。 完結おめでとうございます!! すごく面白かったです!!これからも頑張ってください! (2017年11月14日 22時) (レス) id: cf643eae37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2017年10月24日 22時

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