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薄らと開いた瞼から、光が差し込んだ。



「...太一」



ここは、私の部屋



『寝ててください』



お腹に温もりを感じ、手を当ててみると、カイロが貼ってある。



小さなピンク色の丸テーブルの上には、薬とペットボトルの水。



「太一、私」



『先輩』



ずっと背を向けていた川西太一が振り返る。



私よりもずっと大きくて、それでいてとても繊細な手が、



頭に触れる。



『我慢、しすぎです』



目線の高さが私と同じになり、川西太一は私の肩に顔を埋める。



ハァー。と、一つ、ため息が聞こえる。



「我慢なんて...」



してないよ。



そう言おうとした私を遮るように続ける。



『心配した』



「へ?」



珍しく、拗ねたような川西太一が立ち上がって、再び私に背を向ける。



『階段の下で寒い中なんか丸まってるし声かけたらいきなりぶっ倒れるしズボンに血、付いてたし』



私は川西太一の言葉に耳を疑い、つい聞き返す。



「血、、って」



『生理、ですよね』



男の子にこうもハッキリと"生理"と言われるのは慣れていないからだろうか。



少しだけ、顔が熱くなる。



『ホントにびっくりしたんすよ』



川西太一が、こちらを見ていなくてよかった。



こんな顔なんて、見られたくない。



それでも、テーブルの上の薬や、お腹に貼られたカイロを見て、



ホントに心配してくれたんだって思って。



少しだけ、嬉しかった。

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設定タグ:川西太一 , ハイキュー , 白鳥沢   
作品ジャンル:アニメ
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匿名 - んんんんんんんん好きです……あなたが神か…… (2019年1月6日 12時) (レス) id: 63c38f32d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 春華さん» ホントだ!ご指摘ありがとうございます!二枚の神ておかしいですね笑 (2017年11月15日 7時) (レス) id: 6760a7cf82 (このIDを非表示/違反報告)
春華(プロフ) - 23のところで、二枚の紙が二枚の神になってますよ (2017年11月15日 0時) (レス) id: f269e2e249 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - すずなっぱさん» 最後まで読んでくださってありがとうございますっ!そのお言葉だけでも頑張れます(*'▽'*) (2017年11月14日 22時) (レス) id: 6760a7cf82 (このIDを非表示/違反報告)
すずなっぱ(プロフ) - コメント失礼します。 完結おめでとうございます!! すごく面白かったです!!これからも頑張ってください! (2017年11月14日 22時) (レス) id: cf643eae37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2017年10月24日 22時

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