6.問題Girl ページ6
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「想像通り綺麗にしてるね」
寮は勿論、女子禁制だけど。
コッソリ彼女は俺の部屋に侵入した。
これも見つかったら後で大変。つーか俺謹慎とかになるのかな。
それも承知でこんなことするなんて
やっぱり俺はどうかしている。
「転校してきたばっかりの頃から、川西くんのこと気になってたんだ」
そんな言葉は素直に嬉しい。
「そういうこと、密室で男に言うなんて危ないよ?」
きっと彼女は、俺に面倒くさいことを話したいんじゃないかって思う。
でもそれも、部屋に入れた時点で覚悟は出来ていた。
「相良さんてなんかワケアリなの?」
無邪気なように見えて、何か悟っている。
聞いた上で面倒くさかったら、俺はもう関わらなければいいんだ。
そうすればもう彼女のことが気になるってこともなくなるだろう。
彼女の気持ちを考えたら、少しズルイんだけど。
「親の暴力があるから寮がある白鳥沢に来たの」
そこそこ想像通りではあったけど、実際に聞くと重すぎるその環境。
とりあえず、男がらみじゃなくて良かった。
俺は自然に彼女の頭を撫でていた。
「そっか。もっと、詳しく聞いたほうがいい?」
彼女は静かに頷いた。
「親って、2年前に母と再婚した義理の父なの。母も父親の言いなりで、なにも出来なくて。
このままじゃ私やられるって思って、白鳥沢に入るために凄い勉強したんだ」
年頃の女の子が居て、再婚するって感覚が俺にはもうありえないなって思ってしまった。
義理の父親もクズだけど、母親も…相良さんのこと考えなかったんだろうか。
「まあでも母親が父のこと好きな気持ちはわかるから、仕方が無いっていうか」
きっと話を誰かに聞いて欲しかったんだろうな。
重い話ではあるけど、聞いてしまえばどうってことはなかった。
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茜(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます!それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2018年7月28日 15時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2018年7月19日 23時