45.その後 ページ45
.
「俺、先週からAと付き合ってる」
賢二郎からそんな報告を聞いたのは、あれから3年後だった。
年末年始の帰省中。
久しぶりに賢二郎に呼び出されて
スターバックスでホットコーヒーを飲みながら
彼が唐突に口にした言葉がそれだった。
「お前も諦め悪かったな。高校ん時からだろ、好きだったの」
コーヒーはスタバよりドトール派だけど
賢二郎はなんとかフラペチーノってやつが好きだからな。女子かよ。
「まぁ、気づかれてるよな」
「よかったじゃん、やっと叶って」
「太一に言われるとなんかムカつく」
「じゃあ報告すんなし」
俺は東京で、賢二郎は地元で就職も決まっていた。
就職が決まって、満を持して告白したってわけか。
相変わらず、真面目と言うか律儀な男。
「お幸せに」
本心なような、少し寂しい気持ちもあるような。
複雑な気持ちだったけど
Aに幸せになって欲しい気持ちは本当だった。
「太一はさ」
賢二郎は何故か寂しそうな顔をして
俺の方をを見ずに話し始めた。
「Aと付き合って、楽しかったか？」
楽しいという表現は何か違う気もする。
でも俺の中で後悔はない。
いろんな事があったし、正直面倒くさいことばかり起こっていたような気がする。
でも、一つだけ言えるのは
彼女と付き合っていたことは間違いじゃなかった。
間違いなく俺はAのことを好きだった。
「俺元カレだからさ、今彼に余計なことは言わないよ」
彼女の心の傷もこれからの幸せもすべて任せる。
今日で本当にさよならだなって思ったらほんの少しだけ寂しくなった。
----- fin -----
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます！それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年7月28日 15時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茜
| 作成日時：2018年7月19日 23時
