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44.間違いじゃない ページ44

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Aside



少しイラついていた私は強い口調になってしまう。



「暇だけど遊ばない」
「え〜なんで?ちょっとだけいいじゃん。何が好き?カラオケとかどう?」
「行かないってば」
「なんだよ、ノリ悪いな」




その男が私の肩を掴んで引っ張った時
Tシャツが肩からずれた。




「うわ、何?DV?虐待ってやつ?キモッ」




背中にもいまだに消えない痣はある。
その男にふいに見られてしまったのだ。
それでも私は無視をする。
こんなどうでもいい奴の言葉になんて傷つかない。




「キモいのはお前だろ、離せ」




戻ってきてくれたのか。
今までのやり取りを見ていたのか。
太一が男の腕をつかんで後ろから睨んでいる。
身長が高いせいで男もびびってしまっていた。



「なんだ、彼氏いたのね、すみませんでした〜」



男がそそくさと逃げていくと
太一は焦ったような表情で私を見た。




「大丈夫か?悪かったな、せめて駅まで送ればよかった」



優しい声と言葉。
私はもう十分だった。
この人を好きだったという青春は何一つ間違っていなかったんだって
知れただけでも十分だ。




「太一………ありがとう」




駅まで送ってもらってから。
それからまた、太一に会うことはなかった。
お互いをちゃんと好きで
付き合っていた日々は今でも大切な宝物だ。

45.その後→←43.どこかで生まれた諦め



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(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます!それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2018年7月28日 15時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年7月19日 23時

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