43.どこかで生まれた諦め ページ43
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Aside
会いたかった。
やっぱり、未練がないなんて嘘だ。
あの時大人になったつもりで太一のためを思って離れてみたけど
本当は好きで、会いたくて仕方なかったんだ。
そんな彼に今は手を引かれて
人通りの少ない建物の並ぶ路地へと導かれている。
昼下がり。
まだ日は落ちていないそのあたりは
夜になったら怪しく光るんだろうけど
今はまだ人気も少ない時間帯。
嬉しくて仕方なかったはず。
こうなることを自分の中でもどこか期待していたはずなのに。
「都合のいい女にだけはなるなよ」
白布くんの言葉が胸に響いた。
｢あの…やっぱり別のところにしない？｣
｢え、なんで。やっぱり嫌だった？｣
割と感情を表情に出さないタイプの太一が、少しがっかりしたような顔を見せた。
｢嫌とかじゃないけど…｣
｢抵抗あるならやめよっか｣
ズルイな。
そうやって私に選ばせるふりをして。誘導してる。
その日は普通に昼ご飯を食べて
日が落ちる前に、太一は帰ろうと言い出した。
そうだよね、久々に会うモトカノなんて…こんなものだよね。
どこかで諦めがついたと思った。
｢じゃあ…ね｣
駅に着く前に太一と別れた。
きっと振り返って私を見ることもしないだろうな。
そう思って駅に向かおうとした時肩をつかまれた。
｢ねーねー、君かわいいね。これから暇？遊ばない？？｣
……太一なわけがなかった。ただのナンパ。
バカみたいだな。
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茜(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます！それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年7月28日 15時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年7月19日 23時
