13.遊び相手 ページ13
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部活後。寮の食堂で一人で夕飯を食べているAの横に座った。
「近くに来られたら困るんじゃなかったっけ」
「は?拗ねんなよ…女を部活に連れ込んでるって思われたくないの、わかってよ」
そっぽを向くAの顔を覗き込む。
「機嫌直して?」
「うん……」
素直に頷くAは可愛い。
「後で部屋来る?」
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Aside
彼女になれなくたって
太一のことは好きなんだ。
友達でもいい。
私はこそこそと人に見られないように、太一の部屋へ入る。
「A……可愛い」
甘い言葉をくれて、優しいキスをくれる。
温かくて大きな手で、私の体を包み込んでくれる。
Tシャツの中へするりと手を入れた彼が小さく呟いた。
「いい?」
そう言った太一の枕元には、封の空いた避妊具が置かれていた。
いつのだよ。
せめて新しいの、買いなよ………。
「やっぱり、部屋戻ろうかな」
「何でだよ、すねるなってば。ちゃんと好きだから……」
元カノの影すら隠そうとしない太一に少し呆れた。
やっぱり、バカなのは私?
その時太一の部屋のドアが叩かれた。
「太一。起きてる?」
白布くんの声だった。
(やべ……ちょっと黙っててね)
太一が小さく呟いた。
「太一〜?ちょっと話があるんだけど」
(Aはここで待ってて)
太一はそう言って、部屋を出ていった。
もはや白布くん以下か。
ねぇ……別にどうだっていいよ。
悲しくなんかない。
そう思おうとしたのに。
太一の部屋で一人、泣いてしまっていた。
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茜(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます!それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2018年7月28日 15時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2018年7月19日 23時