幼なじみという名の肩書き。 (ページ28)

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「もう、噂で聞いとると思うけど…」

沈黙の中、最初に口を開いたのは賢ちゃんだった。

「…まゆみと別れた。」

ボソッと放った言葉。

少し悲しい感情が伝わってくる。

まゆみちゃんの言葉と賢ちゃんからの言葉を聞いて
賢ちゃんが振られた側だと言うのは、はっきり分かった。

『…束縛、してたの…？』

「まゆみに言われるまで無意識やった。独占したい気持ちが表に出てもうたかもしれへん」

そしてまた沈黙が流れる。

暗い道のり。
車道側を歩いてくれてるのは賢ちゃんの優しさだろう。

『賢ちゃん。

…私ね、好きな人がいるの。』

「同じ学校のやつか？」

『うん。』

「でもこの前言うた通り、Aは彼氏なんか」

“作らんくてええ”

この言葉を賢ちゃんに言われるのが1番嫌だ。

何年間もの片思いを全て壊される感じがして怖い。

『賢ちゃんだって彼女作った…!』

「俺はええねん。Aはまだ幼いんやから…」

『幼くても恋くらいする!!賢ちゃんのバカっ!!』

家まであと少しの道を私は走った。

後ろかろ賢ちゃんの声がしたけど無視して進んだ

また、逃げちゃった____