カワイクナリタイノ (ページ1)

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一話ページ1

今よりも遠い昔
どこかの偉い人がこう発表したの
「美こそ力なり」って。
「美しい物こそ価値がある。美しい者には権力がある。美しいは人権なのだ」
でも、それっておかしいと思わない？だって...美しくない人たちはどうなるのかしら。
美しくない物には価値が無いの？昔は美しくない者だって権力者だったわ。
何より美しくない者にだって人権はあるはずよ。
今の社会は根っから腐ってるわ。そんなの誰も上に従おうなんて思わない！
...なんて思ってた時期もあったわね。そんなことを考えてるのは私だけだと知った日までは。
今の社会は狂ってる。でも皆従っている。美しい人は今の社会をおかしく思ってないから。おかしく思っても、自分が一番の今の現状に快楽を抱くから。美しくない人だって皆従っている。
なぜだと思う？怖いからよ。さっきも言ったけど、権力者は全員美しい人よ。..権力者が皆美しくない人にも優しかったらよかったのにね。でも、現実はそう甘くないわ。美しい人は皆美しくない人を人間以下だと思ってる。私たちは彼らと同じ生活は出来ないの。この腐りきった世界が正しくなるまで。ずっとね...。

でも貴方なら...
貴方ならこの腐りきった世界を元に戻せる。そう思うの...
..期待なんてしてごめんなさいね。

最後まで見てくれてありがとう。
美しくない子に産んでしまってごめんね。
でも、私の中で貴方はとっても可愛らしくて、とっても美しい子だったわ。

きっとこの手紙を誰でもない私の一番大事な娘。リリーが見つけてくれることを祈って。

今までありがとう

大好きよ...

母の手紙はここで終わっているようだ。