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Episode9-3 他人の目 ページ37

アミちゃんが起こした下降気流によって、ティムレットは屋上から転落する。

「いっけええええええ!!!」

アミちゃんは落下するティムレットに追い打ちをかけるように『エアー・キャノン』を連発する。

「これで、とどめ!!!」

最後に特大の『エアー・キャノン』を撃ち出し、ティムレットの叫びが校内に響いた。

そして、時が動き始めた。


「あ……あれ……? 何が……」

「たしか俺たち、テストしていて……」

「さっきまでみんなぼーっとしてたってこと?」

教室中が騒がしくなる。その間にさりげなく自分の席に戻る。

――アミちゃん、どうするんだろ

「あれ? 風上さん、どこ行ったんだろ」

あちゃ。気づかれちゃった。

ここは何とか言い訳を考えないと!

「あの! 亜実ちゃんならさっき、お腹の調子が良くないってトイレに行きましたよ?
ちゃんと申請したはずなんですけれど」

「え、そうだったっけ……。
ごめんね、覚えてなくて。ありがとう、Aさん」

よーし、先生の目はごまかせた。

「えーそれでは、あと1分でテストを回収します」

動揺しながらも授業を再開する先生。

みんなもだんだん落ち着いてきている。


「すみません! 授業中に教室から出たりして……」

テスト回収残り20秒のときに亜実ちゃんが帰ってきた。

みんなの視線が一気に彼女に向けられる。
彼女はどうしていいのか分からないという様子だった。

「風上さん、大丈夫? まだ調子が悪いなら保健室に行ってもいいですよ」

「え、えっと……あの……」

先生の予想外の言葉に、亜実ちゃんは戸惑った。

そんな亜実ちゃんに、さりげなくウィンクして合図を送る。
亜実ちゃんはそれに気づいたみたいで、私の方を向いて会釈してくれた。


「さて、それではテストを回収してください」

何事もなかったかのようにテストが終わり、後ろの席の子がテストを回収してくれる。

「えーでは、準備できた人は教科書32ページを開いて〜」

普通に授業が始まる。まるでさっきまでティムレットがいたことが幻だったかのような通常さ。

もしさっきみたいに授業中に魔物が襲い掛かってきて、その魔物がティムレットのように時を止める魔法を使えなかったら、もしくは使わなかったら。

魔物を全滅させるため、みんなを守るためにやっぱり私たちは戦うのだろう。

みんなは私たちが魔物と戦うのを見て、どう思うのだろう。
感謝してくれる子もいるだろうけれど、大抵は……

恐怖を覚える、かな。

Episode9-4 神頼み→←Episode9-2 ティムレット



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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます!地道に、頑張っていきますね! (2016年8月24日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで! (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……? (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年1月25日 1時

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