Episode1-2 風使いの少女 ページ4
「えっと……。あなたは、いったい何者なんですか……？」
だいぶ間が空いてから、私が問いかけた。
「だから、ウィンディロッド・フウ・アミーゼです」
「ウ、ウィンデ……アミラーゼ？」
「なんでそうなるんですか！ アミーゼです。アミーゼ」
アミーゼと名乗る謎の少女は、ふんすか怒り出した。
「ごめんね、名前が長いから……。じゃあ、アミちゃんでいい？」
アミちゃんは迷いながらも首を縦に振った。
「えっとですねえ。私はこの世界の人間ではありません」
え、いきなり言われても困るというか、その、中二病？ みたいなんですがそれは……。
そんな私の戸惑いを知ることもなく、アミちゃんは説明を続けた。
「異世界の、フィロデスというところに住んでいました。これでも不思議な力が使えるんですよ」
「不思議な力って？」
気が付けば聞いていた。こんな非現実的なこと、あるわけがないと思っていても。
自分の中の、まだ子供のままの、好奇心がとまらなくなっていた。
「よくぞ聞いてくれました！」
なんだろう、このノリ。ついていけなさそー。
「私は、『風使い』と言われる、ウィンディロッド・フウ・コウンおじいちゃんの孫です。だから、私は風を自由自在に操れるんですよ！」
アミちゃんは「すごいでしょ！」と言わんばかりのドヤ顔をしていた。
こういうとき、どうすればいいんだろう。マニュアルがあったら読みたい。
「でも、おじいちゃんほど上手くいかないんです。もっと練習しないと……」
私は、気付いたら、この子を質問攻めしていた。
たくさんの質問をしてわかったこと まとめ
・アミちゃんのおじいさんはすべての魔物を倒した勇者
・そのおじいさんは二年前に行方不明に
・アミちゃんのおばあさんは十数年前に亡くなっている
・アミちゃんのピアスはおばあさんからおじいさんへ、おじいさんからアミちゃんへと受け継がれ てきた、大切なもの
・アミちゃんのお父さん・お母さんは、アミちゃんが産まれてすぐ、遠く離れたところに行った
・フィロデスでは魔法や超能力が簡単に使える
・フィロデスと人間界を行き来するには、特別な試験が必要 等
「あとさ、アミちゃん。あなたはどうして、私に会いに来たの？」
「わからないです」
……え？ なに？ 行き当たりばったり……的な？ 違うか。
「あ、あのですね……。そこだけ、思い出せないんです」
アミちゃんの顔が、曇っていく。
「私、何をしに来たのかわからないんです」
Episode1-3 予感→←Episode1 何のために、ここにいるんだろう
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます！地道に、頑張っていきますね！ (2016年8月24日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで！ (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……？ (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年1月25日 1時
