Episode10-2 別格の魔物 ページ40
「ここからは僕が探すよ。これ以上、君の手を煩わせては申し訳ないからね」
寂しげな顔のまま、ヴァンさんは私に言い放った。
「……わかりました」
否定しようかとも思ったけれど、ヴァンさんの表情を見て否定の言葉を呑み込んだ。
「私、もう一度地上に出て魔物がいないか見てきます。
そのとき、ロビンさんを見つけたら連絡しますね」
「ありがとう。助かるよ」
爽やかな笑顔に背を向け、玄関に向かう。
「あれ……！？」
ちょうど玄関のクッションに足を踏み入れた時。
何か不吉な気配を感じた。そう、きっとこれは……
「魔物が近くにいる……！」
急いで入り口のドアを開けるスイッチを押し、下に魔法をぶつける。
反動でクッションが浮き、地上に出る。
「どこ……？」
この気配はどこから来ているのか。
アリアドネがいたならすぐにわかるけれど、今日に限っていなさそうだし。
だけど、この感じ……今までとは格が違う……！
曖昧な予感を頼りに、足を進める。
町を一通り走り回ってみた。
それでも結局、魔物らしきものはいなかったし、気配の強さも変わらない。
仕方なく神岡神社に戻ってきて、やっと答えに巡り合った。
今まで私は、魔物は地上に現れるものだと思って探していた。
だけど、それは私の勝手な思い込みだったのだ。
ふと空を仰いだときに、それを見つけた。
巨大な鷲のような、ライオンのような生物が木に留まっている。
よくそんな大きい体で、木の上でバランス取れるなぁ、と感心しているやいなや、それの視線はまっすぐ私に向けられた。気付かれたらしい。
「くっ……」
どう考えても、こいつが魔物だ。心なしかさっきよりも気配が強くなっている。
でも、いざ目の前にして臨戦態勢をとろうとすると、何か不思議なオーラで止められる。
魔法が使えない……いや、使わせてくれないのだ。
「…………！！」
魔物は強烈な気迫とともに木から降り、私の前に足を着けた。
「相手が強くても、とにかくやるしかない！」
出来る限りの力を振り絞り、魔物からの制限を解除する。
「『ゴッド・ブレス』！」
大きな竜巻を巻き起こし、少しでも魔物にダメージをと思ったけれど、あっけなく翼であしらわれた。
鳥に風の魔法は相性が悪い。それに相手が強いし、最後の砦のアリアドネもいないし……。
それでも、やらないと。一人でも強くなるために。
魔物は私の出方を窺っているようで、挑戦的な目を向けてくる。
受けて立とう。『エアー・キャノン』！
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます！地道に、頑張っていきますね！ (2016年8月24日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで！ (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……？ (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年1月25日 1時
