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Episode5-3 本気モード ページ21

ロビンさんは私から少し間を空けて剣を構えた。怯えていた目つきに自信の色が戻ってきている。
来る!

「……ファイヤー・トーテム」

剣を振り払ったその軌道に、炎の球が五個浮遊した。

そして、彼が剣を振り上げた時に、炎の球が猛スピードで一斉に襲い掛かってきた。

「アリアドネ、お願い。『神風』……!!」

《分かった》

アリアドネの了承で、私の後ろから風が吹いた。『神風』。

ものすごい勢いだった炎の球は、徐々に速さを落としていき、私の手前で消えた。

「見たこともない技だ。いったい……!?」

『ロビンさん、何回驚いてるんですか』と思いつつ、軽く解説。

「技を消す技……というか、厳密には能力です。技を消す能力。どんな技でも、どこからでも、対応できます」

「コウン師匠でさえ使えなかった、あの能力を……」

コウン師匠というのは、アミちゃんのおじいさんのことだろう。師匠と呼んでいるということは、師弟関係だったのか。

「一気にたたみかけますよ!『ストーム・カタルシス』!」

暴風が彼に襲い掛かる。それも1度ではなく、3度も襲ってくるのだから、たまったもんじゃないだろう。

やっと、彼の明かりが1つ消えた。

「ふう。さすがですね。ここまで攻撃してやっと1つですか」

「いや、こんな短時間で俺の明かりを1つ消せたのは、君が初めてだ」

口調が完全に変わっている。本気モードに入った模様。無邪気な笑顔で、巨大な炎を作りだす彼。

「この勝負、負けるわけにはいかない! コンフラグレーション!!」

ホール全体が巨大な炎に包まれる。真夏と比べ物にならないくらいの熱さが、私を襲う。

たちまち私の明かりが2つ消えて、3つ目も消えかかっている。

――どうしよう、アリアドネ……。このままじゃ負けちゃう。負けたくないけど、無理かも……。

《人生、無理と思ったらそこまでだよ。あんたには私がついているし、あの技もある。あれが最高威力で使える機会がくるまで、風の盾でしのいでおけばいいよ》

アリアドネが言う通り、炎のせいで熱風になった風を圧縮させて、風の盾を作った。
3つ目の明かりが、光を取り戻した。

炎の勢いが衰えてきて、少しだけ温度が下がった。今がチャンスだ。

「イーリアス!!」
《イーリアス》

風の盾が分解され、怪獣の形を作りだす。風の怪獣は、炎の中でも物怖じせず、炎を蹴散らしながら突進する。

「……なんてことだ」

彼の明かりは一気に4つ消えた。

私は、彼に勝ったのだ。

Episode5-4 気の迷い→←Episode5-2 瞬間の出来事



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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます!地道に、頑張っていきますね! (2016年8月24日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで! (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……? (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年1月25日 1時

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