2022年、秋 ページ33
「ファータ」
「はーい、ブギーさん」
「行かなくていいのか?」
「…もうそんな時間!?急がなきゃ!」
アースラさんの手下となった私。だけどこの時期だけは特別にブギーさんのお手伝いをさせてもらっている。
そう、ホリデーナイトメアのお手伝い!
準備は勿論、ロックショックバレルのイタズラが過度にならないようにチェックしたり、ブギーさんのところの虫たちが逃げないようにちょくちょくビビらせたり、真夜中にジャックの代わりにゼロのお散歩をしたり……人間のお客様を招いている間も大忙し!なんて素晴らしい仕事三昧!
ただ、こっちにいるとジョーと一緒にいれないのが、ちょっと残念。
……って、思ってたんだけど。
「エイトフット、君の可愛い妖精さんが来たようだよ」
「フィ!今日も顔の調子良いね!」
「当たり前だろう。先頭で輝くワタシィ!!」
ハロウィンの時期になると何かと企てるマスター達が、とうとうゴーストホストと交渉したのか特別パレードをすることになったみたい。綺麗自慢のパレードだから、自分の手下も一緒に参加させて"うちが1番"を披露するって。
マレフィセントさんとフックさん、クルエラさん、クイーンさん。それとフェローさんが来ているから、フィ、ホックちゃん、
「ファータ。今日は少し遅かったな」
「仕事に熱中しちゃった!今日もよろしくね、ホックちゃん」
メシア、
「ファータだ!」
「メシアだ!今日もテンション高いね!」
「そうだぞ!だってマスターと一緒だからな!」
ポイズン
「ポイズン今日も生産者の顔してるね。りんご1個貰っていい?」
「生産してないしやらん。女王様に許可を頂いてこい」
「多分OKして貰えるよ」
「……なんでファータはマスター達とそんなに仲がいいんだ」
が、いるのは分かるんだけど。
「今日もサボり成功おめでとう」
「サボりじゃない偵察だ偵察。人間どもがどんなお悩み抱えてんのか見てんだよ」
「それ私の仕事じゃん。つまりサボって汽車乗って楽しんでるだけじゃん。アースラさんに言っちゃうよ」
「それはやめろ仕事増やされる!つか俺は仕事やった上でこっち来てんだよ!正当な夕方の休暇をここで楽しく過ごしてるだけなんだよ!」
「ハイハイ。私に会いに来てるのね。ありがと」
私がにこりと笑ってみせると、ジョーは心臓を抑えるフリをしてにやりと笑った。
「さあ、始まるぞ」
手下達の周りに飛び回る小さな緑の光を見たら、
きっとそれは楽しい悪夢の始まり。
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作者名:ローズ | 作成日時:2018年8月4日 8時