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2話 ページ3

千鶴side


“その人”はまるで救世主だった───


黒髪にしては少し明るい短髪を夜の京の町に靡かせながら少しおかしなことを言い、目の前の化け物を斬っていく、そんな姿を私はいつしか見惚れていた


貴「ふぅ…俺に喧嘩売ろうなんざ千年早ェんだよ」


そう言い、彼は頬に付いた血を拭うとこちらにくるりと向き直った


貴「千鶴ちゃん、怪我は?」

千「あ…いえ、平気です。助けてくださり、ありがとうございました!」



私は慌てて立ち上がり、お礼を述べるとずっと気になっていたことを聞いてみた



千「あのっ…なんで私の名前を知ってるんですか?それに、私の性別…」

貴「あっ…えっと〜…あはは…」


その人は少し焦って、困ったように苦笑いをすると話題を変えた


貴「ま、まぁ、それは話が長くなるからあとで話すとして…!!?」


ガキンッッッ!


突如、鋭い殺気とともに居合の構えで飛んできた一振の刃

それを彼は見事に反応して鞘に収めた状態で刀を受けた




??「あはは!やるね、君。一くんの居合を受け止めるなんてさ」

??「……」



彼は私を後ろに庇いながら油断なく相手を睨めつけている
その際、私に耳打ちした



貴「…絶対に動かないで。俺がいいと言うまで」

千「…!(コクン)」


私は言われた通りにじっと動かずにいた。暫くして相手を改めて見てみると何方も息を呑むほど美しい顔立ちをしていた


一人は茶色の髪を後ろに括って此方を怪しい笑みを浮かべながら見てくる背の高い男性

もう一人は背はそれほど高くはないけど藍色の髪を肩で緩く結び隙を見せずに刀を構えながら此方を睨みつけてくる左利きの男性

暗くてよく見えないが二人とも美しい顔立ちをしていると思う


貴「…よぉ、一体何の用だ?」

??「いや、さ。その可哀想な子達、君達がやったの?」

貴「…………嗚呼」

??「ふーん…」



すると、その人は笑うのを止め、すっと目を細めた

私達も警戒は緩めない


────と、その刹那



??「運のない奴らだ」


チャキ…



背後から声がしたと思えば、響く金属音と首筋に感じる冷たい鋭利な感触
それが刀の切っ先だと気付いた時には全身を恐怖心が駆け巡った

恐る恐る振り返ると其処にはここにいる全員と見劣りしないほどの整った顔立ちをし、この京の夜の町に漆黒の髪を靡かせたその人はまるで────


??「逃げるなよ、背を向ければ斬る────」



まるで、狂い咲きの桜のようだった────

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八咫烏(プロフ) - アクアさん» コメントありがとうございます!笑っていただけて何よりです!現在執筆中につきもうしばらくお待ちくださいませ…! (2020年8月14日 6時) (レス) id: 6365499aef (このIDを非表示/違反報告)
アクア - 面白い(≧〜≦))ププッ いろいろ、てか時々めっちゃ笑いました。更新楽しみにしてます! (2020年8月14日 3時) (レス) id: 09cbd981b0 (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 闇うさぎさん» ありがとうございます!!はい!これから出てくる予定です!伊庭さんと夢主くんとで取り合いとかになったり…!? (2018年6月30日 11時) (レス) id: ecd1c137fc (このIDを非表示/違反報告)
闇うさぎ - おもしろいです!伊庭くんたちも出てききすか? (2018年6月30日 10時) (レス) id: 235f33d21c (このIDを非表示/違反報告)
八咫烏(プロフ) - 第一部隊さん» わああああ!ありがとうございます!!!!その言葉を糧に頑張ります! (2018年6月24日 12時) (レス) id: ecd1c137fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八咫烏 | 作成日時:2018年5月26日 23時

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