【進撃】二度目があるなら【リヴァイ】 (ページ31)

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31話一欠けらページ31

リヴァイＳＩＤＥ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

それからまた、この間みたいに
寝てる奴ばかりで妙に静かなバーの中で
Aとカップを片手に話をした

Aは酔うと饒舌になるらしく
今日はいつにも増してよく喋るな、と思った
珍しくとある愚痴なんかも、ぼやいたりして

『ハンジさん達とも長いんですね』

「幼馴染くらいにはな」

『いいなぁ、羨ましいです』

「羨ましい、か」

『えぇすごく、、エレン達も幼馴染だって言ってました』

そういうAの目は
どこか遠いところを見ているようだった

エレンから最初に話にきいていた通り
Aに記憶のストレスを与えてしまうと
それが頭痛やらの負担を引き起こしてしまうので
彼女には遠い昔の話はしないようにしているらしい

たぶん、彼女も少しそれに気が付いているんだろう
それで少し心細いんじゃないか、と考えた

その同情が意図せず雰囲気に出てしまっていたのを
感じ取ったのだろうか
すぐにAはぱっと調子を上げて喋り始めた

『友達は、大切にしないとですよね
一生付き合っていける友人って素敵だって思いません？』

「そうだな、大事だ
家族とかもだな」

『そうですね』

一瞬目をひらいてよけるように返事をした

「一人暮らしか？」

『はい、ここからも近いですよ』

「出身はどこなんだ？」

『生まれも育ちも、この町です』

「、両親は？」

『亡くなりました、私が幼いときに
大学生になって、
祖母の家を出て一人暮らしを始めたんです』

彼女は前世でも親を亡くし、多少の苦労をして育ったと
聞いていた
俺はあの時から心の中で密かに願っていた、
また生まれてきた時は普通に幸せでいてほしいと

あの世界じゃふつうの幸せなんて難しい、
でもこの平和な世界でなら
遥か昔じゃ生き死に賭けた仲間たちは
多少仕事が忙しくても、数時間電車に足止めくらっても
みんな幸せそうだった

それなのに困難ばかりが彼女を襲う運命を呪った

「そうか、悪かったな」

『いえ、でも毎日楽しく過ごしてます
家にもよくみんな遊びに来てくれて』

「それは良かった」

『心配してくれたんですか？』

「気になっちまったんだ
...俺の知っている人にも似た境遇の奴がいたんだが
彼女もたくましく生きてた」

『、そうですか...
その人は幸せそうでしたか？』

「あぁ曲りなりにも幸せそうに笑っていた」

『だったら、私も同じですよ』

「幸せか？」