見知らぬ男の子、拾いました (ページ27)

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いつもと変わらない私たちの暮らし

ただちょっとだけ…イレギュラーなことが起きた

「えっ！？」

『ビックリした…何？』

「あ、いや…」

『え、なんかあったんでしょ？話してよ』

「その…親、から連絡があって…お見合いを、持ちかけられまして」

『はぁっ？！』

メッセージアプリのトーク画面に送られてきた、親からの文。

“あんたの恋愛話聞かないからお母さん心配です。お友だちの息子さんがとても良い人なんだけど、一度会ってみたら？”

という遠回しに早く恋人作れ、結婚しろ。それが出来ないならこっちで相手探してやるから見合いしろ。と意味が込められたメッセージが。

家を出てからはよく、こうした内容のものが届くことはあったけど…こうして相手をちゃんと提示してくるのは初めてだった

「き、気にしなくて良いから…」

『Aちゃんは俺の彼女なのに…付き合ってること言ってないの？』

「ごめん、お母さんと連絡取ること自体があまりなかったから…！」

『じゃあさ、彼氏がいるって言えば解決するんじゃない？信じてもらえなかったら写真送れば良いし！』

「良いの？」

『良いよ、だって嘘じゃないもん。Aちゃんの彼氏は、おーれ』

そう言ってニコッと笑う彼に笑みを返して、親へ“彼氏がいるからその人とは会わない”って内容を送っておいた

…でも、瑞稀くんは知らない。うちの母親にそう伝えるのが何を意味するのかを。