見知らぬ男の子、拾いました (ページ3)

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…やばい、失敗したかもしれない。

扉の向こう側から聞こえてくるシャワーの音に冷静さを取り戻す。

咄嗟に連れてきたけど、これは間違っているのでは…？

これ、あの子に通報されたら即効警察行き？え、詰んだ？これはフラグですか？？？

『あの、お姉さん…？』

「へ？」

『扉の前にいられると開けられないです…』

「あ、ごめん！」

コンコン、と扉を叩かれて控えめな声が聞こえる

慌てて離れればカチャリ、と扉が開いて顔を出した…いや、顔が可愛いな？

あまりにも可愛いからジーッと眺めていると、気まずそうに苦笑いを浮かべて顔を逸らされた。

『シャワー、貸していただいてありがとうございます』

「ううん、あっ、スープ作ったんだけど飲む…？変なものとかは入れてないから！」

『良いんですか？』

「もちろん…！」

キラキラと目を輝かせる姿がなんだか可愛くて、自然とこっちまで頬が緩む

急いでキッチンに向かい、作ったスープを出すと一口食べて美味しい！と喜んでくれておばちゃん泣きそうだよ。うん、こんな純粋な子に初めて会ったわ

『お姉さんの名前ってなんですか？』

「私？清水Aだよ」

『じゃあ、Aちゃん…って、呼んでも良いですか？』

聞かれたことに素直に名前を答える

嬉しそうに何度も私の名前をなぞりながら、首を傾げるこの子はとても可愛い。

「良いよ、貴方は？」

『えっと…瑞稀です』

「なるほど、瑞稀ちゃんか！」

『瑞稀“ちゃん”？』

「うん、瑞稀ちゃん！」

『あー…なるほど』