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戸惑う彼女-3 ページ8

それにしても…


僕は、頬に手を当てて照れ隠ししているAをちらりと見て思った。

僕らは本当に、今どきの高校生にしては珍しい、プラトニックな付き合いをしている、と思う。

まだキスしかしてない僕たちだけど、将来の話をしているだけでこんなにも幸せな気持ちになれるなんて。

過去の僕が今の僕を見たら、さぞ驚くことだろう。


赤面するAが可愛いくって、Aの手をより強く握りしめる。

本当はキスとかしたいところだけど、道端とかでするの嫌がるんだよね、僕のお姫様は。

キスができないのはちょっと不満だけど、手を強く握り返して来てくれたAに免じて、今日は我慢するとしようかな。


そうして僕とAは手を繋いだまま、Aの家の50m手前くらいまでやって来た。

久しぶりの一緒の放課後だったから、この手を離すのは名残惜しいけど、また明日も会えるんだからって自分に言い聞かせて。



「送ってくれてありがと!また今日の夜チャットするね!」

「うん、待ってる。今日は久しぶりに勉強でもしようかなって思ってるから、いつでも暇だよ」

「あはは。久しぶりって、それでも受験生なの?」

「実感湧かないんだよね。部活もまだ引退してないし」

「そんなこと言って、後で泣いても知らないよ?」


もう家はすぐそこだって言うのに、僕たちはやっぱり別れが惜しくなって立ち話をした。

まぁ、別れが惜しいのはいつものことなんだけど、AもAで中々僕から離れようとしないから。

そんなAも可愛いなと思いながらも、ちょっと笑ってしまいそうになる。

僕たちは一体、いつまでこんな熱々でいるんだろう、って。


それでもやっぱり、ずっと喋っているわけにもいかなくて、5分程経ってからお互いに「そろそろ…」なんて空気になる。


「それじゃあ…また、明日ね」

「うん…また明日ね」


僕はAの頭をぽんぽんって撫でると、元来た方向へ身を翻した。



いや、正確には、翻そうとした…だった。

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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