【薄桜鬼】可愛い彼女 part2 (ページ7)

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戸惑う彼女-2 ページ7

「今朝、今日はお父さんが仕事お休みで、お母さんも仕事が早く終わるから、真っ直ぐ家に帰って来なさいって言われてたの…」

「あー、Aのお母さん、仕事が忙しい人だって前に言ってたもんね。じゃあしょうがないか…せっかくの家族水入らずだし」

「本当ごめんね…この埋め合わせは絶対するから！」

「埋め合わせとかそんな風に思わなくていいよ。じゃあAの家の近くまで送って行くね」

「うん、ありがとう」

Aからの答えは、ある意味いつも僕の期待を裏切らない。

今時の高校生なんて、家族と恋人選べって言われたら迷わず恋人を選ぶ子の方が多そうだけど、そこでしっかりと家族も大切にするAだから、僕はAのことが大好き。

寂しいとは多少思えど、不満なんてものは一切ない。

まぁ、家族で団欒となれば、僕の出る幕はなし。

今日はAを送ったら、大人しく家に帰るとしようかな。

Aの家は、僕の降りる停留所よりもいくつか先で、バスを降りてからも少し歩く。

「今日は家族で外食とか行くの？」

「ううん、久しぶりのお母さんの手料理！いつも朝は簡単なものだし、お昼のお弁当と夜ごはんは私が作ることがほとんどだから、今日の夜はすっごく楽しみなの！」

「そっか。明日またその話聞かせて？Aのお父さんとお母さんってどんな人なんだろうって少し気になるし。いや、かなり、かな」

「え、なんで総司が私のお父さんとお母さんのこと気にするの？」

「だって、Aは将来の僕の奥さんだから」

「……もう」

自分で墓穴掘って赤くなるなんて、可愛いというかなんというか。

これだからAをからかうのは止められない。

あ、奥さん云々は決してからかってないし本気なんだけどね。

Aみたいな子と結婚できたら、僕は本当に幸せ者になるんだろうなぁって思う。

家族は大切にするし、料理も上手だし、真面目だし、

それに何より可愛いし、可愛いし、可愛いし。

「ほんとAは可愛いね。どう？僕と結婚しない？」

「……したい」

「A、可愛すぎ」

あぁ、もう。本当にどんな表情もたまらない。

こんなに可愛いAを、一時の気の迷いとはいえ手放そうとしていたなんて。

僕は本当に罰当たりもいいとこだよね。

まぁ、終わったことを今さら思い出していてもしょうがない。

これから、その償いができるくらいに、Aのことを大事にしていけばいい。