【薄桜鬼】可愛い彼女 part2 (ページ43)

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無邪気な彼女-2 ページ43

にしても、どうして凛ちゃんは途中で滑るのを止めたんだろうって、憎まれ口を叩く彼女を見ながら少し思う。

Aでさえ滑れたのに、途中で怖くなってしまったなんて柄でもないでしょ。

そう思ったけど、僕は何も言わないことにした。

だって、どうしてだか凛ちゃんの目が少し赤くなってるような気がしたから。

一君なら何か知ってるのかも知れないけど、

なんとなく…

本当になんとなくだけど、僕とAはその理由を聞いちゃいけないような気がしたんだ。

「わーー！！！！」

ザッパーン！！

そんなことを考えていた僕の耳に、なんとも楽しそうな平助の叫び声が届く。

平助はシングル専用のスライダーの列に並んでいたんだ。

「藤堂君、どうだった？一人だと怖くなかった？」

水から上がる平助に早速感想を求めるA。

もう、Aはどれだけスライダー好きなの。

「全然余裕だって！後でAも滑ってこいよ！」

「えー！どうしよう？うーん、滑ってみたいけど怖いな…うーん」

本気で悩んでいるAを微笑ましく思いながら、僕等は次はどこへ行くか相談する。

「なぁなぁ！次何する？」

「はいはい！私、ビーチバレーしたい！」

「おっ！いいじゃん！じゃあそこの波でるとこでやろうぜ！」

「チーム分けしよう！一人は審判ね！」

勝手に盛り上がり出した平助と凛ちゃんの提案を採用して、今度はビーチバレーになった。

小さな子もたくさんいるしあまり本気になってはできないだろうけど、僕たちはジャンケンをしてまずは審判決めをする。

「えー！俺が審判かよ！」

「「よろしく！」」

ジャンケンに負けた平助が審判になって、その後に再びチーム分けジャンケン。

見事にAと同じチームになって、それだけで"これって運命？"なんて感じてる僕の脳内。どうやら今日は相当浮かれているみたいだ。

「よしっ！A！絶対に勝つよ！」

「うん！運動苦手だけど頑張る！」

試合前に二人で軽くハイタッチをする。

悪いけど、一君と凛ちゃんのペアには負ける気しないね。

ビーチバレーはコンビプレイが大切なんだよ。