【薄桜鬼】可愛い彼女 part2 (ページ5)

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伝える彼女-5 ページ5

「A。自分から別れを告げて置いて、すっごく情けない真似だってことは重々承知のうえで…僕から言わせて欲しい」

「う、うん」

「これからはAの気持ちしっかりと聞くから…もう絶対にAのこと離さないって約束するから…」

そこまで言って、僕はたまらなくなって、Aを抱き寄せた。

いっぱい、いっぱい、傷付けたよね。

本当にごめん、自分勝手でごめん。

それでも僕は、Aが好きなんだ。

「僕のところへ戻って来て、A…」

あぁ、本当に、格好悪い。

だけどね、そんなこと、Aが僕のもとに帰って来てくれるならどうだっていい。

「そんなの、もちろんだよ。私は総司のこと、本当に本当に大好きなの。むしろ、総司が言ってくれなかったら私から言ってたよ？」

「A……！」

Aが僕を許してくれたことが嬉しくて、気持ちが次から次へと溢れてくるのに、それを上手く言葉にできなかった。

だから、その伝えられない気持ちの分だけ、僕は腕にいっぱいいっぱいの力を込める。

「本当に本当に、私の方こそごめんね…！これからはもっと総司のこと信じるから…！なんでもちゃんと総司に相談するから…！」

「うん…僕もAのこと信じるし、Aの話もちゃんと聞くから。大好きだよ、A」

「私も大好きだよ、総司」

僕たちは、気持ちを確かめ合うようにそっと唇を重ねた。

少し躓いてしまった僕たちだけど、これからはもっともっとお互いのこと信じ合おう。

そしてこれからは、もっとお互いの大好きって気持ちを深め合っていこう。

そう、心に誓った。

「……あ、Aが学校でのキス受け入れてくれたの初めてだね？」

「……あ」

「ついに新境地？」

「そ、そんなんじゃない！今日だけ特別なの…今日だけ…」

唇を離して見つめ合う僕たちを、窓から差し込む光がそっと包んだ。

その光は、あのじめじめした季節が終わったことを僕たちに知らせる。

「梅雨…明けたかな？」

「僕たちの気持ちと一緒だね」

「ふふ…そうかもしれない」

Ａfter a storm comes a calm.

雨の日の憂鬱は、僕たちの絆をより強いものへと変えていった。

to be continued.