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知らない彼女-8 ページ40

「千石。あんたに一つ聞きたいことがある」

「ん?なに?」

「あんたは…Aのことが好きなのだろう?」


俺のいきなりの問いかけに全く動じることなく千石は答えた。


「そうだよ。私はAちゃんが好き」

「しかし、あんたもAも同じ"女"だが…」


やはり俺の知らない世界というものも存在するのだなと妙な関心を持ちながら、悪いとは思いつつももう少し突っ込んで質問をした。

ただの興味や不躾でこんなことを聞いているわけではない。

これから俺は、あんた達三人をどういう距離感で見守ればいいのか、測りかねているのだ。


「そうだね。おかしいよね。それは自分が一番よく分かってるよ」

「おかしくはないと思うが。世の中には色々な人間がいて当然だ」

「よく…分かんないんだ。男の人を好きになったこともあるし、女の子だけが好きとかそういうわけじゃないんだけど、どうしてだかAちゃんのこともそれと同じように好きになっちゃったっていうか」

「そうか、」


自分で質問しておいて、そういう方面の話は知識が不足しているためなんと言ってよいか分からず、俺はつまらない相槌しか打てずにいた。


しかし千石は、そんな俺の反応にも関わらず、自発的に次々と自分の気持ちを話し始める。


「Aちゃんてさ、なんだか放っておけないっていうか…。いつも皆が見えないところで皆のために頑張ってたりするとこあるじゃない。朝早い当番があるからって皆嫌がってた園芸委員に自分から立候補したり、教室で小さなゴミだったり汚れだったりに真っ先に気が付いて掃除したりさ。なのに、沖田の彼女だからとかいう理由で、結構女子からやっかまれてたりするじゃない。本人は気が付いていないのか、気が付かないフリをしているのかは分からないけどさ」

「あぁ…」

「でもさ、きっと、Aちゃんのそういう素敵なところに気が付けた人は、男だろうと女だろうと関係なくAちゃんに惹かれちゃうんだと思う。沖田だって例外じゃないと思うし、一君もそうでしょ?だからいつもAちゃんと一緒にいるんでしょ?」

「Aを放っておけないというのは、確かにそうかもしれないな」


"惹かれている"の意味が曖昧な故に、俺はそう答えた。

もしも"異性として惹かれている"という意味で聞かれたのだとすれば、当てはまらないからだ。

友人として、Aに惹かれるものがあることは理解できる。

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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