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伝える彼女-4 ページ4

side―沖田



「総司…あのね」

「うん、」


一君と平助が剣道場からいなくなってから、Aはゆっくりと自分の気持ちを話し始めてくれた。

Aの握った拳は少し震えていて、僕はその拳をそっと包むように握りながら、話に耳を傾けた


「私はね、総司っていう彼氏がいるとかいないとかは関係なく、クラスの男の子から告白されたことはただ純粋に嬉しかったの。それは浮ついた気持ちがあるからとかそんなんじゃなくて、人から好意を寄せられるっていうのは悪い気はしないっていうか、むしろ私なんかを好きになってくれてありがとうって気持ちがあったというか」

「うん、分かるよ」

「例えば…例えばなんだけどね。私が総司と付き合う前に、総司には既に彼女がいたとするでしょ?それでも私は総司への気持ちを絶対に諦められなかったと思うの。もしかしたら、私に告白してくれた男の子たちみたいに、玉砕覚悟で総司に告白してた未来もあったのかもしれないって思ったの。だから余計に、その男の子たちを攻めて欲しくなかったっていうか…」


Aが話してくれたその内容は、きっと、昨日の僕が聞いていたとしたら素直に受け入れられなかったと思う。

だけど、昨日一君にボロ負けして、自分を冷静に見つめ直すことが出来たから、今はこうして落ち着いた気持ちでAの言葉を受け入れられている自分がいる。

Aは、告白してきた三人と自分を重ねてしまったから、僕に話すことが辛かったんだと思う。



「もし僕に彼女がいたとしても告白してくれてたの?すっごく嬉しい言葉だけど…Aってば見かけに寄らず恋愛に対しては過激だね」

「そ、それは…!そ、そのくらい総司のことが本気で好きってことなんだよ…!」

「A……」



いつもみたいに俯いて赤面するAを見て、僕は何故だかホッとしていた。

それはきっと、その表情を見て、"よかった、まだ間に合うんだ"って思ったから。



ねぇ、A。

Aの気持ちも聞かずに、一方的にAを傷つけてしまった僕を、きみは許してくれる?


もしも許してくれるなら、約束するから。

もう絶対に、Aを悲しませたりしないって。

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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