単純な彼女-4 ページ30
「そう…かなぁ。女の子同士って意外とあれくらいのことは普通にしてるよ?」
「じゃあ何?Aは千石凛にベタベタされるのが嬉しいわけ?」
「え、あの…いや、別にそういうわけじゃ…」
もう、自分でもなんて意地悪な質問してるんだろうって思う。
やっぱり同性の友達ができたっていうのは、Aにとってすごく嬉しいことなんだろうと分かってはいるんだけど。
Aの隣は僕の特等席なのに。
Aはそんな僕のやり場のない嫉妬心に気が付いていないのかな?
複雑だよ。すっごく複雑。
「Aが一番好きなのは僕…だよね?」
「どうしたの?そんなの当たり前だよ!」
「ほんとに?」
口先だけならなんとでも言えるよね。
本当に僕のことが好きだというなら証明してみせて。
そう言わんばかりに、僕はAの手を繋いだまま立ち止まった。
そうしたら自然とAも立ち止まって。
「本当なら、今ここでキスしてよ」
「えっ?!」
これじゃあ本当にただの子供じゃないと思いながらも、僕はAに駄々を捏ねて困らせてみる。
「いや、でも…ここ、一応公道だから」
「してくれるまで動かない」
そうやって不貞腐れてみれば、Aは何かを堪えているみたいに俯いて小さく震えていた。
僕にキスするのがそんなに嫌なのかなって、そんなことを考えてちょっとへこみかける。
そしたらAは突然顔を上げて、興奮したように僕の目を見つめた。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時