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単純な彼女-2 ページ28

私と凛ちゃんがそんな会話をしていたところで。横の通路を3年3組の列が通り過ぎて行く。

総司のクラスだ。

私は無意識に総司の姿を探した。

あ、藤堂君だ。じゃあその近くにはきっと総司が…

あ、いた。


私はクリーム色のカーディガンに身を包んだ一際目立つ茶髪の男子の姿を見つけて、無意識に目で追いかける。

藤堂君はそんな私にすぐ気が付いたようで、爽やかな笑顔で手を振ってくれた。

だから私もそんな藤堂君に和やかな気持ちになりながら手を振り返す。

そしたら藤堂君は次に総司の肩を叩いて、私が総司を見ていることを教えてくれたようで。


「あ、Aー!」


私の存在に気が付いた総司は、満面の笑顔で手を振ってくれたのだった。

うん…無邪気なときの総司ってすごく可愛いと思う。

だから私も自然と笑顔になって、総司に手を振り返した。

ところが…


「ふふっ、」


私の隣にいる凛ちゃんの顔を見て、総司は一気に膨れっ面になっちゃった。

最近では、女の子の凛ちゃんにまでヤキモチを妬いちゃう総司が本当に可愛いなと思うの。

もちろんカッコいいことは前提としてね。


そうして総司のことを考えてにやけてしまっていると、やっと8組が動き出す番が回って来て、皆はぞろぞろと教室へ戻っていく。


それから教室に戻った後は、本当に軽くさくさくと担任の永倉先生の話を聞いた。



「おまえら、夏休みだからって浮かれるんじゃねーぞ?受験生なんだからな!でもやっぱ夏は綺麗な姉ちゃんだよな、浮かれるなってほうが無理ってもんだぜ!!」


どうしてだか先生が一番嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。

永倉先生の、注意喚起になりきれていないそんな話を聞いて、クラスは笑いの渦に巻き込まれる。

さすが永倉先生だなぁと、私も皆につられて笑ってしまった。


そうしていよいよ一学期最後のHRは終わりを迎えて、クラスの皆は異常なまでのハイテンションで教室を飛び出して行く。

そのまま部活へ行ったり、駅周辺へ遊びに行ったり、帰宅したり。


そんな中、私と斎藤君と凛ちゃんは明日プールの打ち合わせを5人でするために教室に残る。

その間は、今日も千石ワールド全開な凛ちゃんの話を聞いて、時折三人で声を上げて笑った。


私は、あの斎藤君にまで心から楽しそうな顔をさせてしまう凛ちゃんはさすがだなと心の中で感心しながら、総司と藤堂君が来るのを待っていた。

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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