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単純な彼女-1 ページ27

今日は待ちに待った終業式の日。

朝から校内全体が浮かれているように感じるのは、きっと気のせいじゃない。


「諸君、夏休みだからと言ってハメを外さず、学生の本分は勉学だということを忘れずに!そして三年生は受験生だという自覚を持ち、有意義な時間の使い方を心がけ、是非とも思い出に残る楽しい夏休みを過ごしてくれ!」


校長の近藤先生の挨拶の後、生徒指導の先生のお話や各委員会からのお知らせを聞く。

それも終われば、教頭先生が終業式の終わりを告げて、それと同時に全校生徒はぞろぞろと集会ホールから教室へと戻って行く。

出口に近い1年生から順に席を立つために、3年生…しかも8組とクラスの数字が遅い私たちがホールを出られる順番はほとんど最後だ。


「Aちゃーん、寂しいよぉ!明日から40日も会えなくなるなんて!」


その待ち時間を持て余しているのか、私のとなりの座椅子に座っていた凛ちゃんは、そんなことを言いながら私にがばりと抱きついて来る。


「ひゃっ、凛ちゃん!ふふ、そうだね、私も寂しい…でも明日一緒にプール行くよね?」


私はまだ慣れない凛ちゃんからのスキンシップに驚きながらも、どこか総司に似ているんだよねと思って小さく笑ってしまった。

女の子同士のスキンシップをあまり取ったことのない私は、凛ちゃんから抱きつかれたりすることが少し嬉しかったりもしている。

いつも他の女の子達がやっているのを見て憧れがなかったわけじゃないし、そういうのって女子の青春って感じがするじゃない?

けれど、それと同時に、照れくさいという気持ちがまだかなり大きいけどね。


「そーだよ!私もプール行くの!沖田はともかく一君はいいよって言ってくれたしね!一君もAちゃんを男三人の中で女の子一人にするのは忍びないと思ったんだって!」


こないだは"沖田君"呼びだったのに、今ではすっかり"沖田"呼びな凛ちゃん。

あれから何かと総司と顔を合わせる度にいがみあっている二人なんだけど、私は総司とそんな風に激しく言い合ったりしたことがないから凛ちゃんが少し羨ましい。


「あはは。でも総司も凛ちゃんが来ることそんなに嫌がってなかったよ?」

「たとえ嫌がってたとしても行くよ?沖田が公衆の面前でAちゃんに何かしようものなら、私の拳が黙っていないからね」

「ふふふ、そうだね。総司は結構人目を憚らないところがあるから助かるかも」

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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