【薄桜鬼】可愛い彼女 part2 (ページ24)

今日:34 hit、昨日:11 hit、合計:15,646 hit

困った彼女-4 ページ24

「なんだと…まあ、世の中には色々な趣味趣向の人間がいて然るべきだが…」

「一君ってば返答も真面目なんだから。それにしてもAってば、一体なにして生きてたらそんなに短期間に何人も告白されるの」

「わ、私のせいなの？何もしてないよ！」

私は至って普通の生活をしているので、人のせいにするのは止めて欲しい。

そう思いながら、私は教室をちらりと見渡した。

昨日、私に好きだと言ってくれた千石凛ちゃんというクラスの女の子。

まだ教室には来ていない。

彼女はクラスでどんな存在なのかと言えば、一言で言うとすごく元気で太陽みたいに明るいクラスの人気者だ。

だからこそ、私みたいなおとなしめの人間に興味を持ってくれていたことが意外だった。

あまり関わったことのなかった子だから、特に今までの関係に変化はないのだろうと思いつつも、これから一体どんな風に接することになるんだろうと思う。

彼女は、"これからは友達としてよろしく"と言っていたけど。

と、私がそんなことを考えているとだ。

総司が突然に話題を変えて、これから始まる夏休みのことなんかを話し始めた。

「ねぇねぇ、夏休み四人でどこか遊びに行こうよ。今年は部活も引退して絶対に暇になりそうだし」

「夏期講習には行かないのか」

「行かない。一君は行くの？必要ないでしょ」

「俺は家庭学習教材のほうが性分に合っているだけだ。Aは申し込みをしたのではなかったか」

「うん、そう思っていたんだけどやっぱり家庭教師の人に来てもらうことにしたの。週に3回くらいで。だから遊びに行こうと思えば行ける…かな。さすがにしょっちゅうとは行かないけれど」

「えー、つまんない！Aといっぱい遊びたいのに」

遊ぶ暇がある受験生の方がおかしいことを総司に分からせたい。

私だってそりゃあ総司と遊びたいけど。

夏休みは家庭教師にみっちり扱かれたり、地元の図書館に通い詰めて自主学習する予定になっている。

そんな会話をしている最中、私はふと藤堂君のことを思い出した。

藤堂君は私と同じで、とても人間らしい点数を取る仲間だ。

おいそれと夏休み遊んでばかりいられないだろうと思って、二人に彼のことを聞いてみる。

「あ、そういえば、藤堂君はどうするんだろう？」

「「………」」

「どうして黙るの…？！」

その不穏な沈黙はやめてあげて欲しい。

一体彼に何があったというの。