【薄桜鬼】可愛い彼女 part2 (ページ22)

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困った彼女-2 ページ22

「A。冗談って知ってる？」

「馬鹿にしてるでしょ」

そっか、冗談だったのか！ってそんな風になるわけないじゃない。

冗談にしては、手紙で呼び出すなんて、色々やりすぎだと思うのは私だけなのか。

そもそも冗談というのは仲のいい相手に言うから成り立つものであって、私は別にその子とは仲がいいわけではなかったし。

今年初めて同じクラスになった子だったんだよね。

「んー…でもAがそこまで気にするなら、僕も明日からは少し気をつけて見ていてあげるよ。あ、肝心なこと聞いてなかったけど、その子に返事はしたの？」

「うん…一応はその場でお断りした」

「ふっ…そっか。それで、反応は？」

「それじゃあお友達にはなってくれる？って言われたから、もちろんだよって答えたよ」

「うーん…男だったら許せないけど、女の子だしまぁいいのかな？」

「うーん…」

「複雑だね」

というわけで。

とりあえず、思うところはあるものの、この話はひと段落。

この後は二人で一緒にゲームをしたり、他愛もない話をしたりして過ごしていた。

そして、19時あたりに時計の針が回ったところで、総司がそろそろ家に送って行くねって言って。

夏だから19時でもまだ明るい空の下、私と総司は一緒に手を繋いで私の家まで歩いた。

総司とは住んでいる地域がわりと近いので、交通的な意味でとても便利。

「それじゃあね。また帰ったら連絡するから」

「うん。待ってるね！」

家の近くまで来て、いつものやり取りをする私たち。

好きな人とは何度同じ会話をしても飽きないものなんだって、総司と付き合って初めて知ることができた。

そしてまたいつものごとく、お互いの繋いだ手を、名残惜しさが残る中でそっと解く。

また明日も会えるのに、この瞬間だけはいつも寂しいと思える自分がなんだか可笑しい。

私がそんな気持ちでいることはお見通しなのか、総司が小さく笑った。

総司はいつも余裕そうな表情だけど、でもきっと、総司も同じ気持ちでいてくれてるはずだと思う。

だって、頭を撫でてくれたその手つきがすごく優しかったから。

そして今度こそ、私たちは「また明日」と言ってそれぞれの家へと帰って行った。