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伝える彼女-3 ページ3

「えっ?!な、なに…いまの…?!」


私がよく状況を理解できないままに、藤堂君の判定が私の耳に届く。


「面あり!一本勝負につき、勝者は沖田!」


よく分からないけど…総司が勝ったの?


確か…鍔迫り合いから、同時に二人が一歩下がって…

斎藤君が先に仕掛けた打ちこみを、総司が既のところで交わして…

そこからがよく見えなかった。


私の目からは、ほとんど二人が同時に面を決めていたように見えたけど。平助君の目からは総司が早かったらしい。

斎藤君は、「総司の勝ちだな」と言いながらも、心なしか表情は穏やかだった。

総司と斎藤君は、試合終了の作法なのか、きちんと納刀の動作をしてから一礼をし、それから防具を外した。



「一君…僕は本当にいい友達がいてよかった。きみのおかげで、自分自身を見直すことができた。だから、例え友人としてでも、Aを一君にあげられない。Aは僕の大切な人だから」

「そうか…ならばもう、何も言うまい。しっかりとAと話をするといい」

「ありがとう、一君」


総司と一君は、互いを振り返らずに、自分の行く道へと歩き出す。

斎藤君と藤堂君は、私に視線で"大丈夫"と言うように合図を送ってから、道場を出ていった。

総司は、私のところへと真っ直ぐ向かってくる。

私は、しっかりしなきゃいけないと、自分の拳を強く握った。



「A、昨日はきみの気持ちも聞いてあげずに一方的に別れるだなんて言ってごめん…。許してくれないかもしれないけど…それでも…僕は今からきみの気持ちを知りたい」

「ゆ、許すだなんてそんな…!総司を怒らせてしまったのは私が隠し事なんてしたからで…」


総司から謝ってくれるなんて思ってなくて、私はちょっと動揺してしまった。

こんな事態になったのも、元はと言えば私が悪いんだ。


「ううん、いいんだよ。悪かったのは僕だって、本当に後悔してるんだ。だから聞かせて?Aがどうして僕には言えなかったのか」

「う、うん…」


真剣にそう言ってくれた総司に応える意味でも、私はきちんと昨日の気持ちを伝えなきゃって思う。

斎藤君と藤堂君からも勇気をもらえた私は、真剣な瞳で私を見てくれている総司に、しっかりと向き合った。

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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