微笑む彼女-5 ページ17
「とりあえずご飯できるまでまだ時間掛りそうだから、お通しとしてお父さんと沖田君にこれ持って行ってちょうだい」
「う、うん」
絶賛赤面中の私のことは置いておいて。
お客さんに出来るだけ退屈させないようにという配慮で、お母さんからブリ大根が盛りつけてあるお椀を渡される。
お酒好きの人がいる家庭の定番レシピというかなんというか。
お父さんにはお酒も持って行ってあげたほうがいいよね。
ブリ大根のお皿を持ってリビングの扉を開こうとした時、総司とお父さんが何か話している声が聞こえてくる。
お父さんたらまた総司に変なこと言って困らせてたら嫌だなと思いながら、少し耳を澄ます。
――「"付き合う"ということはな。男の方にはそれ相応の"責任"が付いて来る。これまで彼女を護り育てて来た父母の代わりに、これからは自分が彼女を護って行かなければならない。それが本当の意味での"付き合う"ことだと俺は思うんだよ。Aと本当の意味で付き合いたいのなら、その"責任"をきみはこれから背負っていかなければならない。君にその覚悟はあるか」
ちょっとお父さん、総司にそんな真面目な話しないでよ。
私たちまだ高校生なんだから。
やっぱりお父さんってば、総司のこと困らせてるじゃない。
だけど…
私としても、総司は私のことどんな風に思ってくれてるのかって、そこのところが少し気になった。
だから、こっそりその会話を聞いてみることにした。
盗み聞きなんて趣味が悪いと言われるかもしれないけど、誰がいつ入って来てもおかしくない場所で話しているのは二人の方だしいいよねなんて、適当に自分に言い訳をしておく。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時