微笑む彼女-3 ページ15
「"付き合う"ということはな。男の方にはそれ相応の"責任"が付いて来る。これまで彼女を護り育てて来た父母の代わりに、これからは自分が彼女を護って行かなければならない。それが本当の意味での"付き合う"ことだと俺は思うんだよ。Aと本当の意味で付き合いたいのなら、その"責任"をきみはこれから背負っていかなければならない。君にその覚悟はあるか」
その言葉を聞いた途端、僕は頭をガツンと殴られたような気持ちになった。
僕は今まで、自分がどれだけ軽い気持ちで女の子と付き合って来たかを思い知った。
Aのお父さんの言葉は、これまでの僕の愚かさを認めざるを得ない程に、僕にとっては耳が痛くなるような言葉だった。
今まで僕が付き合って来た、"暇つぶし"だった女の子たち。
そんな彼女たちにも、こうして大切に護って育ててきてくれた両親がいたわけで。
僕は、そんな彼女達の両親を蔑ろにするようなことを、今まで平気でしてきていたんだ。
彼女達の両親が大切に護り育ててきた娘を、"暇つぶし"なんかで弄んで。
そんな僕に、Aをこれからずっと護って行く覚悟があるだなんて、そんなことを言える資格があるのだろうか。
そんな気持ちにさえなってくる。
ううん、でも…それは違う。
そういうことじゃない。
過去の行いを悔いるより、今は、その大切なことに気付かせてくれたAのお父さんに感謝しよう。
その上で、本当にAを護って行く覚悟があるのかどうか。
それをしっかりと伝えなきゃいけないんだ。
「………あります」
「………」
「生意気だと思われるかもしれないですけど、小父さんの言葉を聞いて…僕は本当の意味でもAさんと付き合っていきたいと思いました。だから……」
生意気だと思われてもいい。
お前にはまだ無理だと思われてもいい。
それでも僕は、その覚悟があることを、しっかりとAのお父さんに伝えたい。
「これからは僕の役目です。Aさんのことはご両親と同じくらい…いや、それ以上の気持ちで、Aさんのことを大切にします。護っていきます!」
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時