微笑む彼女-2 ページ14
「本音で…ということでしたよね」
「あぁ、そうだ」
「それじゃあ、本音で語らせてもらいますね。僕とAさんがお付き合いすることになったのは、Aさんからの告白がきっかけでした」
「な、なんだと?!いや、いい…続けてくれ」
Aのお父さん、これでもかと言うほどに驚いている。
まぁ無理もないか。
"真面目なA"の方から、僕みたいな問題児に告白してきたって言うんだから、"一体うちの娘は何を考えているんだ"なんて思ってしまっても仕方ないことだと思う。
「僕ははじめ、容姿が好みだから…そんな理由でAさんと付き合っていました。だけど付き合って行くうちに、Aさんの真面目なところや優しいところ…色々なところに惹かれて…。今ではAさんよりも僕の気持ちの方が強いんじゃないかってくらい、僕はAさんのことが好きなんです」
「………」
彼女のお父さんに、彼女のことが好きだなんて伝えることは、思っていたより何倍も恥ずかしいものだった。
だけど、今日は本音で話せということだし。
何よりもAのお父さんには、僕が本気でAのことを好きなんだってことを知っていてもらいたいと思った。
「沖田君…君が本当にAのことを想ってくれていることはよく分かったよ。目を見ていれば分かる」
「ありがとうございます」
「しかしな、沖田君。高校生の君にはまだ理解出来ないかもしれないが…これだけは知っておいて欲しい」
「………はい」
僕にはまだ理解できないかもしれないこと。
そんなことがあるんだろうかって、その言葉が少し気にかかる。
まだ高校生の僕だけど
生意気かもしれないけど
Aを好きな気持ちは間違いなく本物だ。
そんな僕に理解できないことなんてあるわけがないと、そんな風に思ってしまうんだ。
だけど、そんな僕に聞かされたAのお父さんの言葉は、自分の甘さや愚かさや未熟さなどを実感してしまうほど、
大きくて重たい…でも決して忘れてはいけない、大切なことだった。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時