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微笑む彼女-1 ページ13

「A、ちょっと夕食の支度手伝ってちょうだーい!」

「あ、はーい!じゃあ総司、ちょっと行って来るね」


そんなわけで、Aは夕食の支度を手伝いにキッチンの方へと行ってしまい、現在、リビングには僕とAのお父さんの二人。


「………」

「あの…」


とりあえず何か話さないとと、沈黙を破ったのは僕。

けれど、こういう時何を話せばいいのかなんてとっさに思いつくものじゃなくて、僕は声を発しておきながら、その先の言葉に繋げることができないでいた。


「沖田君」

「あ、はい!」


情けないけれど何も言えない僕に、Aのお父さんの方から呼びかけられる。

一瞬ホッとしたけど、何を言われるのかって一々身構えてしまう。


「君は…見たところ付き合う女の子に困らなさそうな容姿をしているようだね」

「いえ、そんなことはないと思いますよ」


Aのお父さんは一体、この話題をどう広げるつもりなんだろう。

自分のことは、割とどんな話にも付いていける口だと思ってたけど、これは完全に僕の守備範囲外の予感。


「いやいや。この際本音で語り合おうじゃないか。君は女の子に困る容姿ではない。これは事実だ」

「は、はぁ…そうですかね」


Aのお父さんの言いたいことがいまいち見えてこない。

僕がモテるという前提を作って、一体何の話をしようとしているんだろう。


「君のような女性から人気のありそうな男がどうしてAなのか、俺としてはそこのところがとても気になるんだよ。見ての通り、うちの娘は周りに流されることなくとても真面目な子に育ってくれてね。そんな娘が高校生のうちから彼氏なんて…彼氏なんて…!」


あぁ、なんだ。

何を言われるかと思えばそんなことか。

きっとAのお父さんは、一見不真面目そうなこの僕が、どうして真面目なAと付き合うことになったのかって言いたいんだ。


確かに付き合う前までは、僕とAは過ごしている世界が違う二人だった。

Aは一君と同じで、所謂"模範生徒"。

一方で僕の方はと言えば、授業はサボるし先生をおちょっくて遊んだりする、所謂"問題児"。

クラスさえ同じになっていなければ、今頃付き合ってることもなかったし、お互いの存在すら知らなかったかもしれない。

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設定タグ:薄桜鬼 , 夢小説 , 沖田総司   
作品ジャンル:恋愛
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます (2020年12月26日 20時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
水城(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こちらにもコメントくださりありがとうございます。励みになります。 (2020年12月26日 20時) (レス) id: 61fd283962 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵です。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城 | 作成日時:2020年12月20日 0時

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