婚約者VS父親 ２｜【赤・黄】

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「ほな、ママ探しに行こうか、しゅん？」



「うん！」








おててつないで仲良く歩き始める彼らの後歩く。

後ろ姿が本当に親子みたいで目が離せない。







大毅、子供何人欲しいんだろう。

前ドラを一緒に見てた時、良太郎ってええ名前やなって言ってたっけ。







大きな身長差を見てたらどんどん彼との未来を考えてしまう。








「A、」




『ん？』








隣で歩いてたお父さんも同じく前の二人を見てた。






「……今、幸せ？」





『…え？』





「…」






お父さんは無言で二人の背中を見つめ、こっちには見向きもしない。






生まれてからずっと見てきたお父さんの横顔。

久しぶりにじっくり見てみると、正直老けたなぁって思う。





シワも少し増えたし、前の忙しい感じより今はもっとゆったりしてる。

これでもまだアラフォー。




小さい頃から周りの子達によく言われた、お父さん若いねって。

高校の時なんて、年の離れたお兄ちゃんだと勘違いされたし、実際誤解が解けてもイケメンパパだと騒がれた。









……随分と時間が経ったなぁ。









多分、お父さんと私は今そう同じく思っている。









だから、笑顔で返す。









『…うん。幸せだよ。大好きな人たちと大好きな水族館にいるんだもん。』









いつまでたっても、変わらないものもあるんだよって伝えるために。









「…わかった。」








へへって小さく笑う。

そうやって目元がクシャってなるのは、
顔がほぼお母さん似だと言われる私がお父さんからもらった唯一の特徴。

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