５８ ページ11
｀
「しゅん！！！」
前から走ってくる女の人と後ろを早歩きで追う男性と男の子二人。
「しゅん！」
「ママ〜！」
しゅんくんは大毅から離れ、自分のお母さんへと駆け付ける。
「しゅん！！あんたママの手離したらあかんって言ったやろ？！」
さっきまで笑ってたのに、大きな声でお母さんに怒られた途端また涙がしゅんくんの目にたまり始めた。
「あ〜、お母さん。大丈夫でしたよ？しゅんくんもな？ちゃんと名前言えたしな？」
大毅は泣き出すしゅんくんをなんとかフォローしようとするが、しゅんくんの顔からは涙がポロリポロリと落ちてくる。
「もう、ママ心配したんやから！」
「ご、ごめんなさい、泣」
お母さんはしゅん君を抱きしめながら私の方を見て頭をさげる。
「本当にありがとうございました。ご迷惑をかけてすみませんでした。」
『いえいえ、そんなご迷惑ってほどのことじゃないですよ。ちゃんと見つかってよかったです。』
「本当にありがとうございました。ほら、しゅんすけも。」
「ありがとう。」
『いいえ。今度はちゃんとお母さんの手を繋いでおくんだよ？』
「うん！」
『じゃあね、しゅんくん。バイバイ。』
「バイバイ！」
涙の後はまだ頬に残っているけど、ピカピカな笑顔で手を大きく振ってくるから私たちも大きく返す。
だんだん遠ざかってく彼の小さな右手はしっかりとお母さんの左手に包まれていた。
.
.
『可愛かったね、しゅんくん。』
あの後、じゃあ私たちも帰りますかっていう雰囲気になり、３人で水族館を出た。
「おん、可愛かったな。」
そう呟くお父さんは今夜照史くんと行きつけの焼き鳥屋に行くから、ここからタクシーを拾うらしい。
３人並んで駐車場まで歩く。
大毅とお父さんの間に挟まれてる私。
すぐそこにある海の音や匂い。
夕方になったから世界は全てオレンジ色のフィルターを通して見えているようだ。
こんなワンシーン、平和で心地よい。
『やっぱ子供っていいよね。』
大毅と私の間に小さいもう一人がいたらどうなるんだろう。
｀
「そうやな……………………そろそろ孫の顔を見んのも悪くないな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2072人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鳥(プロフ) - 虹と嵐さん» 更新はちょっと遅くなるかもしれませんが、二人の未来の話、書きます！本編を最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2018年3月25日 8時) (
レス) id: 793a413963 (このIDを非表示/違反報告)
鳥(プロフ) - 七橋にさん» コメントありがとうございます！新婚旅行や二人の未来の話を書く予定です！楽しみにしてください！ (2018年3月25日 8時) (レス) id: 793a413963 (このIDを非表示/違反報告)
鳥(プロフ) - ペン太郎さん» 感動したなんて、嬉しい言葉ありがとうございます！しげこたですね…いろいろとアイディアが浮かんできました。近頃新作出すかもしれないので楽しみにしてください。 (2018年3月25日 8時) (レス) id: 793a413963 (このIDを非表示/違反報告)
虹と嵐 - とても面白くて、最後はお父さんが認めてくれてよかった〜と思いました！もしよければその後を見てみたいと思いました！！ (2018年3月23日 22時) (レス) id: f64e7eafe7 (このIDを非表示/違反報告)
七橋に - 結婚したその後の話がみたいです! (2018年3月21日 15時) (レス) id: 391a8c7176 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鳥 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=kawaieri612
作成日時：2018年2月19日 21時
