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「おい、着いたで。」

かちゃっとシートベルトを外したら、二人で車から出て歩いた。




うん。


やっぱりこの塩気が感じる風は気持ちいい。





目の前に広がる海は、特別綺麗ってわけではない。
色も鮮やかな青でもないし、
砂浜なんかもない。

ただ夕日のオレンジ色に染まっている黒い波と、
私たちが今上に立っている崖しかない。



でもこの見慣れた景色はどのリゾートビーチより素敵だと思う。





「8年って結構長いもんやな。」




隣に立っていた彼が海を見てそう呟いた。




『そうだね、』








波の音が響く。

ザバン

ザーー

ザバン







「なぁ、」


『ん?』


「あそこの船見える?」





遠くに小さい船が浮かんでいる。
どこかへ向かっている様子はなく、ただぽつんと一人で波にゆらゆら揺らされている。





『あの船?』


「そう。」


『あの船が何?』


「いや、ただ船がおるなーって。」


『それだけかい。』






二人で笑う。

こういうしょうもない話をするの私は結構好き。

今暖かいオレンジの光に包まれている彼の笑った顔も好き。



かっこいいなぁ。



そんな彼の隣にいる私はこの世界で一番幸せな女の子だろう。








「今何考えとる?」



『今?』



「おん。」



『幸せだなぁって考えてた。』







少し素直になってもいいよね?



彼はちょっと俯きながら、「そっか、」って返してきた。





いつもの照れ隠し。

かわいい。





私たちはあまり「好き」とか「愛してる」を言葉に出さない。


他のカップルとは違って、結構ドライな関係なのに
ここまで離れずに一緒に居れたってすごいことなんだな。


今思うと、一体どうやってこの8年間やってきたんだろう。

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅   
作品ジャンル:恋愛
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ルルモ(プロフ) - 鳥さん» いえいえ!なかなか不思議な名前ですので...笑 気にしないで下さいっ! (2018年1月31日 18時) (レス) id: 6f8e01a7f2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ルルモさん» ルルモさん、またまたコメントありがとうございます!(最初のコメントで名前を少し間違えちゃってすみません。)この作品も読んでくださってありがとうございます。なんでですかね、重岡くんメインの小説ばっかりになっちゃってます… (2018年1月29日 20時) (レス) id: 3e3ec56362 (このIDを非表示/違反報告)
ルルモ - こっちも面白いです!! (2018年1月29日 19時) (レス) id: 830d760a8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=kawaieri612  
作成日時:2018年1月15日 19時

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