Cigarette love 08 (ページ12)

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彼女の立場に。　（YN ページ12

時松さん達の話を聞いたあと
Aに声を掛けても返事がなくて
そのまま帰宅した俺はリビングで
モヤモヤした気持ちのまま煙草を吸っていた。

そこにチャンミンが帰って来て
「ヒョン、話があります」と真剣な表情で
ダイニングテーブルに俺を呼ぶので
「なんだよ？」とそちらへ行くと
「Aの事ですけど、
彼女保育園辞めるそうです。」とチャンミン。

「なんで！さっきは悩んでるって」

「ヒョンが帰った後に俺達に
保育園は出来るだけ早く辞めるって言いました」

「俺は聞いてない。」

「知ってます。
Aに明日退職が決定したら
ユノにはちゃんと話すから
それまでは内緒にしてくれって言われましたから」

「でも、それならなんで俺に言うんだよ」

「俺はヒョンにだけ知らないなんて
Aの気持ちも分からなくはないですけど
フェアじゃないと思っただけです。」

「くそっ！なんなんだよ！」と
俺はテーブルを思いっきり殴った。

「ヒョンは彼女の決断をどう思いますか？」

「どうって、
なんでAが辞める必要があるんだよ！」

「そう言うと思いました。
だからこそAも退職が決定するまで
言わないつもりなんですよ」

「どういうことだよ？」

「ヒョンは自分がAの立場だったら
どんな決断をしますか？」

”もし自分がAの立場だったら”

「・・・」

きっとAと同じ決断をするだろう

「俺も、
Aが仕事を辞めたり辛い思いをするなんて
納得は行きませんよ。
でも、自分が彼女の立場になったら
同じ選択をすると思います。
現時点では最善の策ですから」とチャンミン。

「だからって
俺にそれを話さないのは違うだろ？」

「話したら絶対に反対するでしょ？
ヒョンはAの事になると冷静さを欠きますし、
彼女なりの最善策なんだと思いますよ。」

「・・・」

「それに千代もAも
俺達と付き合う上でのリスクは
充分に理解し覚悟しています。

今までこんなに続いた女性は居ましたか？
サポートしてくれた人はいましたか？
結婚したいって思う女性はいましたか？」

「いない、Aだけだ」

「ヒョンが彼女を守りたいって気持ちと同じ、
いや、それ以上にAは
ヒョンの事を考えてるんですよ。
その気持ちまでヒョンは受け止めてあげるべきです」

そう言われて俺は
さっき彼女に言ってしまった一言を後悔した。