Cigarette love 08 (ページ35)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:105,978 hit

本当にさようなら。ページ35

大きな紙袋を抱えて
保育園を後にする。

最後は通用口ではなく正門から。

園長と副園長が見送ってくれた。

私は最後に園長と副園長に御礼を告げ
そして心の中で
(今までありがとうございました)と
保育園に向かって挨拶をした。

これで保育園とも本当のさようならだ。

長いお辞儀を済ませ顔を上げると

「お疲れ様でした」と背後から声を掛けら
振り返ると時松さんだった。

「わざわざ、来てくれたんですか？」

「本当はユノが迎えに来たいって言ってたんだけど
仕事の都合でどうしても無理だから
２人が代わりに迎えに行ってくれって」

「そんな気にしなくていいのに(笑」

「２人がそうしたいんですよ。」

「じゃぁ、遠慮なく。」

時松さんとダグラスに荷物を持ってもらい
私は家路に着いた。

家に着くと引き揚げてきた荷物を整理する。

着替え、靴、帽子、ユノとお揃いの腕時計・・・

また使う機会があるか分からないけど
まとめて段ボールにしまった。

次はお別れのプレゼント。

写真立て、アルバム、ペン立て・・・
それに子ども達が個人的にくれた
お手紙やメッセージ付きのプレゼント。

１つづつ開けて行く。

そして、今まで子ども達に貰った
手紙と同じファイルにしまう。

そうしているうちにユノ達が帰って来た。

私の部屋に来たユノが
「A、お疲れ様」と声を掛けてくれる。

「うん、ありがとう」

「それはなに？」と
私が手にしているファイルを彼が覗きこむ。

「これ？子ども達に貰ったお手紙とか色々」

「見てもいい？」

「いいよ」

そうして２人でファイルを見る。
貰ったもの全てを
残している訳ではないけれど
読み返すとその時の思い出がよみがえる。