They who are a hotel！ 08 (ページ1)

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差出人不明。ページ1

火曜日。

藤岡さんの息子さんが通う
ダンススクールでの撮影日。

藤岡さんはお休みで今日は野崎君と２人で仕事。

野崎「今日はまだみんないるの？」

「午後から撮影に行くって」

AM７時、事務所で２人で仕事をしていると
扉をノックする音が響いた。

「おはようございます」と警備の馬場さん。

「おはようございます。
何かありましたか？」と私が聞くと
神妙な面持ちで１つの封筒を私に差し出した。

「宛名がなかったので
開けてしまったんですが・・」と馬場さん。

私は封筒を受け取り中身を見た。

中身は私とユノが
２人ジャージ姿で歩道を歩く写真で
ユチョンの時と同じで私の顔には大きな×印。

そして添えられていた手紙には
”引っ越してもどこまでも追いかけて
嫌がらせをしてやる”と書かれていた。

写真の×印を見る限り
アパートの件と同じ人物だろう。

そんな事を考えていると
手紙を野崎君が私から奪い馬場さんに
「これ以外にはありませんでした？」と聞いた。

「これが初めてです」と馬場さん。

「申し訳ないんですが
この事は黙っていて貰えますか？」と野崎君は
馬場さんに頼んだ。

「野崎君・・・」

野崎「まだ、上に報告する段階じゃないと思うし
この内容からみるにホテルどうこうじゃなくて
Aがターゲットだろ？」

馬場「手紙は私しか知りませんし
黙っているのが最善ならそうしますけど
川原さん大丈夫ですか？」

「大丈夫です。
ご迷惑を掛けしてしまってすみません」

「何かあったらすぐに言って下さい」
そう言うと馬場さんは帰って行った。

私は手紙を鞄にしまいながら大きなため息をつく。

すると野崎君が
「”引っ越しても”って書いてあったけど
それってアパートを知ってて
引っ越したのも知ってるってことだよな？
A何か隠してない？」と改まった声で聞いてくる。

アパートでの件は内緒にしておこうと思ったけど、
野崎君はこれから隣人になるし
これ以上隠し通す自信もなかったので
正直に話す事にした。