amante della radio 02 (ページ9)

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話題探し。　(CM ページ9

翌日。

昼過ぎに近所のコンビニへ買い物へ行くと
運悪くファンに見つかってしまったので
大事を取って遠回りで帰ろうとすると
相手はあまり良いファンではなかった様で
小走りで移動してもしつこく付いて来る。

まいったな…
気が付けば宿舎からはどんどん逆方向に進んでいて
無意識に昔の宿舎つまりAの家の近くへ来ていた。

この先の角を曲がればAの家。
全速力でファンを引き剥がして角を曲がり
彼女の家の勝手口まで行ければ見つかる事はない。
そこまで行ければシゲに電話して勝手口から
入れて貰えれば…

このままウロウロしていても埒が開かないので
俺は計画を実行する事にした。

エコバッグをしっかり持って…

いざ勝負！

全速力で角を曲がりAの家の前で振り返ると
彼女達は追い付いてきて居なかった。

俺はそのまま駐車場を抜けて勝手口に行こうとした。

ところが道路から
「いないよ！何処か家の隙間に逃げ込んだのかも」と
俺を探す声が聞こえて咄嗟にシゲの車の影に隠れた。

敷地内に入ってこなければ見つかりはしないはずだけど
いつまでもここに隠れている訳にも行かないので
車の影から上れる２階に住むAに電話を掛けた。

すると不在だけれどポストにあるスペアキーで
家に入っても良いと言うので
申し訳ないと思いながらお言葉に甘えて
避難させて貰った。

緊急だったとは言え
女性の独り暮らしの家に勝手に入って寛げる訳もなく
Aの帰りをリビングで待った。

暫くすると扉の開く音が聞こえて
俺を呼ぶ声が聞こえたので玄関へ向かうと
心配そうな表情のAが居たけれど
俺を見ると安心したのかほっとした表情になった。

それからやはりファンがまだうろついているから
急ぎの用事がなければ少し休んで行けば?と言うので
お言葉に甘える事にしたけど
特にする事もないので微妙な空気感。

彼女でもない女性と二人きりで過ごすなんて
仕事以外ではそうそうない。
何か話題があれば良いんだけど…
そう思って話題を探そうと部屋を見渡すと
沢山のアルバム並んでいるのが視界に入ったので
それをAに聞くと教え子達の卒園アルバムだと
見せてくれてそこから話題が出来て
俺達が再会する前のスパジャムや色んな事を話してくれた。