これはまずい。 ページ18
「A、起きて。」
いつの間にか寝てしまっていた私は
ユノに体を揺さぶられて目を開ける。
「ん・・・ごめん寝ちゃってた」
体を起こすとユノが掛けてくれたであろう
ジャケットが滑り落ちる。
「掛けてくれたの？ありがとう」
「どういたしまして。
風邪なんか引かせたらみんなに怒られちゃうしね(笑」
ユノが先に車から降り、私の方のドアを開けてくれる。
「本当はもっと違う場所がいいんだろうけど
まだ、融通を聞いてくれる様なお店がなくてね」
そう苦笑いをするユノ。
車から降り、顔を上げるとそこは
私の勤務先でユノの宿泊先でもある
”Hotel Garden Royal”だった。
唖然と立ち尽くす私の腰に腕を回し
中に入る様にエスコートするユノ。
「ちょっと待って！
これはまずいよ！」と慌てる私をよそに
「大丈夫、支配人にもちゃんと了承済みだから」と
歩き出すユノ。
私は半ば引きずられる様にロビーへ向かった。
遅い時間と言うのもあって
良く顔を合わせるスタッフさん達はいなかった。
(良かった〜あまり親しい人がいなくて)
そう思ったのもつかの間
「お待ちしておりました。
ご案内させて頂きます」と聞きなれた声。
声の相手は支配人だった。
「今日は無理を聞いて頂いてありがとうございます」と
ユノが支配人にお礼を言う。
「いいえ、ユノさんも川原さんも
ごゆっくりお過ごしください」
普段私と接するのは全く違う
ホテルマンの顔で私達を案内する支配人。
私はこんな恰好だし、
ユノと２人で居るのをファンに見つかったらとか
支配人にお客様扱いされてるしとか
とにかく色々考えてしまって
今すぐこの場を逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
支配人に案内され、
最上階のレストランへ案内される。
エレベータの中。
YN「Aは来たことある？」
「ランチには何度か・・・」
支配人「夜はスカイタワーが綺麗に見えるんですよ。
川原さん素敵なドレスですね。
いつもとは別人(笑」
少しだけだけど
支配人がいつもの話し方になって私は安堵した。
「自分でも正直何が起きてるのか
理解できてません・・・」
支配人「さしずめシンデレラってところかな？
でも、本当に似合ってるよドレス。」
YN「本当ですか？
これ俺が選んだんですよ〜」
支配人「そうなんですか？
さすがユノさん、センスがいいですね」
レストランの前まで来ると支配人は
お店のスタッフさんに声を掛けて去って行った。
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kawaetsu(プロフ) - 瓶てまりさん» コメントありがとうございます！不定期な更新になってしまっていますが、なるべく更新していきたいと思います♪これからもよろしくお願いします！ (2016年10月6日 7時) (
レス) id: 4de8d8cd04 (このIDを非表示/違反報告)
瓶てまり(プロフ) - 素敵なお話でした。最初から一気に読みました。更新楽しみに待ってます♪ (2016年10月5日 22時) (レス) id: f70a36db87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kawaetsu
| 作成日時：2016年9月25日 12時
