検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:46,450 hit

彼からの・・・ ページ14

どれだけの
時間が過ぎただろう。

「A」

「ん?」

「あのさ、俺の事どう思ってる?」とユノ。

「どうって・・・」私は言葉に詰まる。

好きに決まっている。
でも、彼には好きな人がいる訳だし
気持ちを伝えたところで彼を困惑させるだけだ。
それに伝えたら
今のこの関係も壊れてしまう気がした。
そんな事を考えてしまい、返事を出来ない私。

すると「俺はAの事、好きだよ」とユノ。

私はその告白を
”友人として好き”と受け取った。

私は「ありがとう、私もユノが好きだよ
これからもよろしくね」と伝える。

「そうじゃなくて、
俺はAを彼女にしたいって
意味の好きなんだけど」と彼の口から
想像もしていなかった言葉が紡がれた。

”彼女にしたいって意味の好き”

私はその言葉で息苦しいくらい
頭が一杯になって返事が出来ない。

そんな私に彼は
「返事は急がなくていいから」と言い、
それにも返事が出来ないままでいると
「そろそろ行こうか」と屋上を後にした。

車に戻った彼は
いつもと変わらない様子で私に話しかける。

「A、A、ねぇ聞いてる?」
彼が運転をしながら私に声を掛ける。

「え?あ、ごめん、
聞いてなかった。なに?」

私は今の状況を把握しようと
フル回転で思考を巡らしていて
彼の話す声は私には届いていなかった。

ユノが大きなため息をひとつ吐く。

「あのさ、
さっきも言ったけど答えは急がないから
俺はいつものAが好きなんだ」

「ごめん」と私。

「謝らないでAは何も悪くないよ。
あぁ、焦って告白しなきゃ良かった!」

「焦って?」

「だってさっき、Aは好きな人いるって。
だからそいつにAを取られたくなくて」と
彼は運転しながら眉間にに皺を寄せ、
「とにかく、この話はまた今度!」とユノ。

その後は多少のぎこちなさはあったけど
いつもの様に過ごした。

深夜のドライブは休憩を取りながら
明け方まで続き、
家に着く頃には空はもう青みがかっていた。

日が昇り掛けている空の様に
私の気持ちにも整理がついた。

私もユノが好き。

この気持ちを彼に伝えよう。

そう決心した。

伝わる気持ち。→←オススメの場所



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kawaetsu | 作成日時:2016年5月7日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。